不老に剣士

はらぺこおねこ。

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Scene09 滅びのとき

174 封印の刻

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清空たちは時と悠久の部屋から出ました。

「狙えば必中!
当たれば確殺!」

中年の男の人の声が響きます。

清空とバーバラはその声に震えます。
動けない体。
動かない体。

でもひとり。

その声に安心感を覚える少女。
ブラマヨビーム。

「父ちゃん?なんで……?」

でも涙を流します。
信じていたから。
でももしかしてクローン?

そんな絶望的な希望を抱くのもつかの間。
その声はビームを放ちます。

「おじやビンゴビームですぞ!」

その中年の男の名前はおじやビンゴ。
ブラマヨ―ビームのお父さんです。

ビームはまっすぐ飛び。

清空とバーバラを通り抜け。

そして……

「ど、どうしてこの場所が……」

そうして、白銀が5人消えました。
そしておじやビンゴは旋律を奏でるようにビームを曲げさせ。
さらに15人の白銀を倒しました。

「んー、100分の1はこの程度なのですね。
白銀さんの無駄遣い……ですぞ!」

「な、なんでここにいるんだ?
おじやビンゴ!」

清空が驚きます。

「ってか、あの子、父ちゃんって言ってなかった?」

バーバラも焦ります。

「あ、もしかしてさっきのブラマヨビームさんのビームって……」

リトルサマーキッスが何かをひらめきます。

「この感じ……
君が愛しの末っ子ブラマヨビームのファーストキスを奪ったのかい?」

おじやビンゴが自慢のヒゲをビョーンと伸ばします。

「……はい、煮ても焼いてもいいですよ。
貴方にはその権利があります」

リトルサマーキッスが言います。

「トマトだけにですか?少し寒いですぞ!」

「冷やしトマトも美味しいですよ?」

「ハハハ!それは面白いジョークですぞ!」

「じゃなくて、どうしてここにいるのよ?」

バーバラが一歩下がります。

「娘のファーストキスが失われたとき。
父としてすぐに召喚される呪いが私にかけてあったのですぞ」

「なんやねんそれ……ってか父ちゃん、このトマト!
ウチのファーストキスを奪ってんで!」

「トマトなのでノーカンですぞ!」

「え?」

ブラマヨビームが驚きます。

「リトルサマーキッスくん。
君がトマトである限り。
娘に好きなだけキスをすることを許しますぞ!」

「……僕がキスをするのですか?」

「なにか問題でも?」

「いえ……」

リトルサマーキッスは何も言いません。
バーバラは何も言えません。

なぜなら自分がリトルサマーキッスにある呪いをかけた方からです。
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