不老に剣士

はらぺこおねこ。

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Scene09 滅びのとき

163 吠える犬

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「わおーーーん」

アースベルガーが吠えます。

「流石は犬と言えどテオス。
これくらいでは死なないよね」

裕也が小さく笑います。

「我を犬と笑うものは死ぬぞ?」

「そりゃ生き物だもの死ぬよ」

裕也はそう言って拳を構えます。

「減らず口を!」

アースベルガーが唸りながら裕也に飛びかかります。

「勇者と言えど我ら3人で掛かれば余裕ですよ」

イシュタムが誇らしげに笑います。
そんなイシュタムにしいたけブーメランをぶつけます。

「しいたけ!」

しいたけくんも元気です。

「そんな程度の攻撃など効きませ――」

イシュタムの口からきのこが生えます。

「な……?」

紫が驚きます。

イシュタムはきのこを抜きます。
きのこがイシュタムの口からまた生えます。

イシュタムの体のいたるところからきのこが生えます。

「ヘルファイア」

アースベルガーが口から炎を吐きイシュタムを焼きます。

「げ、そんな風に対策しちゃう?」

シエラが後ずさります。

「助かりました」

イシュタムがアースベルガーにお礼を言います。

「否!我らは仲間ぞ?」

「ふふふふ」

イシュタムが笑います。

「そういえばひとりいなくなってるな」

焔が紫が居ないことに気づきます。

「全身きのこまみれになるのはいや!!」

紫の声だけ聞こえます。

「女の子ですものね」

イシュタムが笑います。

「乙女だな」

アースベルガーも笑います。

そして焔が大きく後退します。
足元から紫が現れます。

「逃げたんじゃないのか?」

焔が笑います。

「逃げるわけ無いじゃん。
仲間を置いて!」

紫が笑います。

みんなが笑いみんなが笑う。
勝利を信じて……

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