不老に剣士

Scene08 血霧のゲルンガ

156 思い出⑥(修正あり)

「な、なんだ？
　今のは……？」

座来栖は、慌ててベットから降りました。
しかし意識が戻っていないためか目眩で頭を押さえます。

「くそ……
　まだ、目眩が……」

大きな爆発音と共に、悲鳴が座来栖の耳に飛び込んできます。

「また、爆発音？」

座来栖は、保健室を出ました。
そして、座来栖は目を疑います。

「学校が、壊されている？？」

座来栖が先ほどまでいた保健室には、結界が貼られていたためほぼ無傷であったものの。
学校の廊下はぐちゃぐちゃになっていました。

「利奈！」

座来栖は、利奈の名前を呼びます。
でも、返事は帰ってきません。

座来栖は、倒れている男子生徒を見つけます。

「何があったんだ？」

しかし、男子生徒は返事をしません。
座来栖は、ゆっくりと男子生徒の脈を測ります。

「死んでいる……」

座来栖は、ゆっくりと男子生徒を地面に置きました。

「……なにが起きているんだ？」

再び大きな地響きが起きました。

座来栖は走ります。
教室へ……

「利奈は……
　他の皆は、無事なのか……！？」

座来栖は、教室のドアを開けます。

そこには、血塗れになって死んでいるクラスメイト達の姿がありました。

「利奈！」

返事がありません。
座来栖は教室に入り生徒達一人一人の姿を確認します。


「碇……
　相田……
　加持……
　伊吹に、赤城まで……」


座来栖は、涙を飲み込みました。
みんな、座来栖の幼馴染であり親友でした。
みんなの死……
そして絶望。
もしかしたら生きているかもしれない。

99％の絶望と1％の希望。

1％でもすがれるのなら……

座来栖は、ただ一心に利奈の姿を探しました。