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Scene08 血霧のゲルンガ
151 思い出①
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「座来栖さん!
ゲルンガの相手をするにはまだこの子達には早すぎます!」
新一がそう言って刀を構えます。
するとゲルンガは言います。
「だが興が醒める。
弱きものよ。
像はくれてやる。
我の気が変わらぬうちに……
いや、強くなってからもう一度ここに来るがいい」
ゲルンガはそういってその場から去りました。
殺気の籠もった霧と共に……
「見逃してくれたようだね」
新一は刀をしまいます。
丹歌、ジル、ベラ。
万桜とフェニーチェはその場でぐったりしています。
そしてジャキがいいます。
「情けねぇ」
「え?そりゃ仕方ないでしょ?
ゲルンガといえばテオスの中でも異質の強さを持つものよ」
プレゲトンがいいます。
「そうじゃねぇ、アイツを前に何もできなかったのが情けない」
ジャキは唇を噛み締め拳を握りしめます。
「……そんなことはない。
アイツを前に生き延びた。
それだけでも凄いことなんだ」
座来栖はそういって銃を切なそうに見ます。
「だがよ……」
「あ、あ、あ……」
ベラが震えています。
「どちらにせよ。
精神に攻撃してくる敵への耐性はつけておかないといけないわね……」
プレゲトンの言葉に新一は頷きます。
「そうですね。
どちらにせよ心のケアが必要ですね。
ところで座来栖さん、その銃とゲルンガ……
なにか共通点があるのではないでしょうか?
同じ魔力痕の感じるのですが――」
「ああ、そうだ。
ゲルンガ……あいつは俺の幼なじみだ」
「あ?すごい幼なじみだな」
ジャキは小さく驚きます。
「そうだな。
ゲルンガ……彼女は、彼女の名前は梨奈。
影無一族のひとりだ」
「影無一族……ゲルンガは影使いなのか?
ってか彼女って言ったな?女なのか?」
ジャキは色んな情報が頭に入り整理できません。
「どうせコイツラもこんな状態だ。
少し昔話をしようか……」
座来栖は小さく言葉を続けました。
ゲルンガの相手をするにはまだこの子達には早すぎます!」
新一がそう言って刀を構えます。
するとゲルンガは言います。
「だが興が醒める。
弱きものよ。
像はくれてやる。
我の気が変わらぬうちに……
いや、強くなってからもう一度ここに来るがいい」
ゲルンガはそういってその場から去りました。
殺気の籠もった霧と共に……
「見逃してくれたようだね」
新一は刀をしまいます。
丹歌、ジル、ベラ。
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「情けねぇ」
「え?そりゃ仕方ないでしょ?
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「……そんなことはない。
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「だがよ……」
「あ、あ、あ……」
ベラが震えています。
「どちらにせよ。
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「そうですね。
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ところで座来栖さん、その銃とゲルンガ……
なにか共通点があるのではないでしょうか?
同じ魔力痕の感じるのですが――」
「ああ、そうだ。
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「あ?すごい幼なじみだな」
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「そうだな。
ゲルンガ……彼女は、彼女の名前は梨奈。
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「影無一族……ゲルンガは影使いなのか?
ってか彼女って言ったな?女なのか?」
ジャキは色んな情報が頭に入り整理できません。
「どうせコイツラもこんな状態だ。
少し昔話をしようか……」
座来栖は小さく言葉を続けました。
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