不老に剣士

はらぺこおねこ。

文字の大きさ
上 下
138 / 229
Scene07 夢を叶える像

139 それってチート

しおりを挟む
「丹歌……」

丹歌の目の前にいたのはジル・ジルベルト。
丹歌をいじめていた男子生徒です。

「……ジル」

「……」

ジルもベラも何も答えません。

「ジル、謝るんだろ?」

ジャキが小さく言います。

「わかってるよ。
丹歌、そのなんだ。
すまなかった」

「いいよ、気にしなくていい」

丹歌は小さく笑います。

「……」

ジルは言葉を失います。

「仲良くなったところでわるいんだけど。
貴方たち別の班です」

学園長がクスクスと笑います。

「班?」

万桜が首を傾げます。

「貴方たちには適正のある像に出会ってもらいます」

「適正のある像?」

「残念ながらジルくん。
貴方にはこの夢を叶える像の適性はありません」

「どういうことです?」

ジル・ジルベルトが学園長の方を見ます。

「夢を叶える像は願いを叶えるとすぐどこかへ消えます」

学園長がそう言うとティコが言葉を続けます。

「つまり、今ある場所の像はひとつしか叶えてくれないってこと!」

「……なるほど。
願いを叶えるのは俺よりも丹歌が適任ってことか」

ジルは何かを納得しました。

「そういうわけではありません。
ジル君の能力は貴重です。
移動魔法はレアですからね。
ジル君には像の場所まで行ってもらい。
丹歌君たちを移動させる……素敵でしょ?」

「別にいいけどさ?
その”たち”ってのが気になるんだけど?」

「そうです。
夢を叶える像を探知できる人がこの中にいます」

「そうなのですか?」

ジルが首を傾げます。
ジャキがつまらなそうに頭を抑えます。

「ジャキ君は察したようね。
触れた者の記憶を抽出できるジャキ君。
貴方のその能力があれば探知できるのよね?」

「ああ、できるが……
いいのか?それは一番最初に触れるのが俺ってことになるぞ?」

「いいんですよ。
願いごとは特別に好きなのを言っていいですよ。
考えておいてくださいね」

「……わかった」

「では交渉成立ね」

学園長はそういってクスクスと笑いました。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

聖女だったけど魔王にジョブチェンジしました。魔獣たちとほっこり生活を満喫します。

棚から現ナマ
ファンタジー
聖女リーリアは婚約者である王太子リカルドにより、偽の聖女だと断罪される。 えん罪を着せられたリーリアは、あろうことか獣や魔獣が出没する”魔の森”へと捨てられるのだった。 攻撃や身を護る手段を持たないリーリアは…… なんだかんだあって、魔王になり、魔獣や魔物たちとワチャワチャ楽しく暮らしていくのでした。

転生チートは家族のために~ユニークスキルで、快適な異世界生活を送りたい!~

りーさん
ファンタジー
 ある日、異世界に転生したルイ。  前世では、両親が共働きの鍵っ子だったため、寂しい思いをしていたが、今世は優しい家族に囲まれた。  そんな家族と異世界でも楽しく過ごすために、ユニークスキルをいろいろと便利に使っていたら、様々なトラブルに巻き込まれていく。 「家族といたいからほっといてよ!」 ※スキルを本格的に使い出すのは二章からです。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの? 人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。

孤児院で育った俺、ある日目覚めたスキル、万物を見通す目と共に最強へと成りあがる

シア07
ファンタジー
主人公、ファクトは親の顔も知らない孤児だった。 そんな彼は孤児院で育って10年が経った頃、突如として能力が目覚める。 なんでも見通せるという万物を見通す目だった。 目で見れば材料や相手の能力がわかるというものだった。 これは、この――能力は一体……なんなんだぁぁぁぁぁぁぁ!? その能力に振り回されながらも孤児院が魔獣の到来によってなくなり、同じ孤児院育ちで幼馴染であるミクと共に旅に出ることにした。 魔法、スキルなんでもあるこの世界で今、孤児院で育った彼が個性豊かな仲間と共に最強へと成りあがる物語が今、幕を開ける。 ※他サイトでも連載しています。  大体21:30分ごろに更新してます。

『付与』して『リセット』!ハズレスキルを駆使し、理不尽な世界で成り上がる!

びーぜろ@転移世界のアウトサイダー発売中
ファンタジー
ハズレスキルも組み合わせ次第!?付与とリセットで成り上がる! 孤児として教会に引き取られたサクシュ村の青年・ノアは10歳と15歳を迎える年に2つのスキルを授かった。 授かったスキルの名は『リセット』と『付与』。 どちらもハズレスキルな上、その日の内にステータスを奪われてしまう。 途方に暮れるノア……しかし、二つのハズレスキルには桁外れの可能性が眠っていた! ハズレスキルを授かった青年・ノアの成り上がりスローライフファンタジー! ここに開幕! ※本作はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

処理中です...