不老に剣士

はらぺこおねこ。

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Scene07 夢を叶える像

133 新しいバッド

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「我が名は強欲の鰤雨ぶりさめ
新しいBAD不幸を買った。
主はこの不幸に耐えれるか?」

そう言って現れたのは鰤雨と名乗る男です。

「強欲?」

雪尾が反応します。

「いかにも!かの七つの大罪がひとり!
強欲の鰤雨である!」

ピンクノトリが震えます。

「私はアイツの呪いによりこんな姿になったの!」

「そうなのですね」

雪尾も小さく震えます。

「かはははは!
お前もなかなかのツワモノのようだが――」

雪尾はその言葉を待つことなく鰤雨を殴ります。

「待て――」

バシン!

雪尾は待ちません。
ただひたすら鰤雨を殴ります。

「話は――」

雪尾はまだ殴ります。

「ええい!!!」

鰤雨は怒ります。
でも、雪尾は殴ります。

「なんや。ただの雑魚やん」

ハデスは、そういってスリッパで鰤鮫を殴ります。

「なんだ、力が……湧いて――」

鰤鮫の能力が上がります。
そしてハデスが言います。

「これは幸福のスリッパ。
叩かれたものは最高の力を得る代わりにウチの奴隷になるねん」

「え?」

「あんた、魔族やろ?
かわいい魔獣の下僕になれるねん。
しあわせやろ?」

ハデスが鰤鮫の頭を叩きます。

「うう……力が湧くのに逆らえない」

「んで、あんたの能力は?」

ハデスが聞きます。

「不幸という能力を付与できます」

「それで?」

「あと不幸の前借りといいますか、未来の不幸を現在に持ってくることができます」

「不幸を回収することは?」

「できません」

「なんや、役立たずやな」

するとピンクノトリが泣きます。

「じゃ、私は一生このまま?」

「えっと、不幸の前借りなのでそのうちもとに戻れます」

「今すぐ戻したり!」

ハデスの言葉に逆らえない鰤雨は言われるがまま涙を流します。

「うう……
不幸の能力アップ解除」

するとピンクノトリの姿が少女の姿へと変わります。

一秒遅れてアースロックがカメラを構え写真を撮ります。
なぜならその少女が裸だったからです。

「やるやん、アースロック」

少女はフリフリのドレスを着ています。

「わわわ!なんて可愛らしい服!」

少女の心の心がウキウキです。

「え?」

アースロックの顔が赤くなります。
なぜなら先ほどキスをしたピンクノトリは、なんとまぁ美しい少女だったからです。

「それに声が治ってる!」

「なにか病気だったのですか?
そんな些細な病気、不幸の前借りの反動で治りますよ」

鰤雨はため息交じりにいいます。

「なぁ、あんたの名前は?」

「私の名前はクレイジー。
クレイジー・クレイジー・クレイジー・ソルト。
とってもクレイジーなの。
永久の炎に焼かれ続けて300年。
やっと抜け出たら体はケロイドだらけ。
自慢の声もガラガラのだみ声。
絶望のどん底で姿はピンクノトリに……」

「ちょい待ち!クレイジー・クレイジーってテオス軍のクレイジー・クレイジーか?」

ハデスが驚きます。

「え?テオス軍?なにそれ?」

「モトフミの軍や!」

「モトフミさま?とってもお優しいのよ」

「どうして?あの悪魔よりも恐ろしいモトフミが優しい?」

ハラペコクリスティーヌの目に怒りが湧きます。

「ええ!!
聖魔戦争で全ての生きとし生きるものの祝福を願って戦ったのですよ」

「聖魔戦争?それ3万年以上前やで?」

クレイジー・クレイジー・クレイジー・ソルトの眼の前が真っ暗になりました。



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