不老に剣士

はらぺこおねこ。

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Scene07 夢を叶える像

132 ファーストキス覚えてますか?

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「ミュウさん?
どうして?ここに来るのは黙っていましたよね?」

サタンが震えます。

「黙っていたらバレないんですか?」

ミュウが笑います。

「えっと……
自分はサタン、魔王の中の魔王の王。
気配も消すのも得意……」

「私、探すのは得意なのです」

ミュウも負けじといいます。

「おう……」

サタンは泣きそうです。

「ってことでサイン!」

「しくしく……ってあれ?」

サタンはあることに気づきます。
それは有給休暇の申請の書類がありました。

「有給休暇の休の字が体になってますよ?」

「え?僕そんなの書いて――」

「間違えてますよ?」

サタンは察しました。

「ありがとう」

ミュウはそれを聞いてニッコリと笑います。

「サタンさんは、有給休暇が100年ほどありますからね」

「100年。
金さん銀さんもびっくりやな」

ハデスが笑います。

「誰?」

ハラペコクリスティーヌが首を傾げます。

「内緒」

ハデスが上を見上げます。

「さて、アースロックくんが死にそうやで?」

「なんでよ?」

メルがアースロックの方を見ると本当に死にそうな顔をしています。

「魔力切れそうやね。
エナジードリンク飲み!」

ハデスがそう言ってエナジードリンクを取り出すとピンクノトリがそれを奪います。

「なにもの?」

ハデスたちが警戒します。

「私の名前はピンクノトリ。
全ての薬を溜め込むもの。
このエナジードリンクは新種。
なので私が飲む!」

なんてことでしょう。
ピンクノトリが全て飲み干してしまいました。

「なんでや!」

ハデスが怒ります。

「そんなに貴重なものだった?
だったら返すね!」

ピンクノトリはアースロックの唇にキスをします。

「!!!!」

アースロックが顔を真赤にして焦ります。

「受けた借りは倍返し!
倍返しのピンクノトリ!」

ピンクノトリはそういってアースロックの口の中にエナジードリンクをぶち込みました。
舌を絡め濃厚な濃厚なエキスを注ぎ込まれ。
アースロックは元気になりました。

「でも、なんでバリア貼っとるん?」

ハデスの疑問も最もです。
ここは安心安全な場所。

「うーうー」

キスが続くアースロックはジェスチャーで伝えます。

「あ、もう離れよっと」

ピンクノトリがアースロックから離れて言葉を続けます。

「ここは安全でも安心でもないよ。
魔族はいないけど悪しき神族がいるから」

ピンクノトリが震えます。
そして歌声が聞こえます。

それは何よりも恐ろしい声でした。
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