不老に剣士

はらぺこおねこ。

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Scene07 夢を叶える像

126 大地を揺るがす男

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ありがとう。
その言葉は連鎖する。
誰からも感謝され。
なんだかんだで自分は魔王らしくない。
そんなことをハラペコクリスティーヌは思っていました。

魔王から大魔王になる日を夢見て今日も釣りをしています。

飢えの解決は一時的な凌ぎにしかなりません。

ずっと供給できるかと言うと。
そうは行きません。

食料供給が難しいこの大地。

村人ごと移住も考えたのですが。
それもなかなか難しいです。

こんなとき役に立つのはネット通販の愛流狩メルカリです。
なんと全国どこでも送料無料が自慢です。
なので今から交渉です。

ハラペコクリスティーヌは遠征して愛流狩本社に来ています。

魔王の名前をフル活用して交渉です。

「ハラペコクリスティーヌ様!」

愛流狩社員はもうパニックです。

「メルちゃん、私交渉に来ました」

ハラペコクリスティーヌは、社長のメルとは友達です。

「ペコちゃんどうしたの?」

「実は食料が乏しい村に食料を定期的に供給したいのですが……」

「届けるのはいいけどお金はあるの?」

「ないから交渉なのです」

メルちゃんがとっても困った顔をしている。

「それは困った問題ですね」

そういって現れたのは七つの大罪のひとり強欲担当、鰤谷ぶりたに雪尾ゆきおです。

「あ、雪尾さん」

雪尾は困った顔で苦笑いを浮かべていました。

「さてハラペコクリスティーヌさん。
飢えに苦しむ人々は世界に何人いると思いますか?」

「世界ですか?えっと……数え切れないくらいいます」

「そうです、その全てを救うのは物理的に無理です」

「はい」

「貴方の言う村はどの当たりですか?」

「パププペ村です、場所はパププペ海の真ん中の島にある村です」

「パププペ海ですか、今は危険地帯ですよね?
移住を勧めたいですが、それも物理的に無理ですね」

メルが頭を抱えて悩みます。

「空は怪獣。海は海獣。カイジュウだらけですね」

「……そうなんですよ」

雪尾の言葉にハラペコクリスティーヌは涙目でメルに訴えます。

「カイジュウさんを食べちゃうとか?」

メルの提案にハラペコクリスティーヌは驚く。

「え?倒せませんよ?
怪獣も海獣も基本的に群れですし。
私だけなら戦うことも余裕ですが魔力が低い村で人は勝てません」


「困りましたね」

雪尾さんも悩みます。

「ふふふふふふふ」

笑い声がこだまします。

「この声は……!?」

メルが頭を抱えます。

「お困りのようだね!」

少年が嬉しそうに笑います。

「アースロックさん」

メルがその少年の顔をじっと見ます。

「そう、俺の名前はアースロック!」

「誰?」

ハラペコクリスティーヌは思わず声を出してしまいました。

「俺の名前はアースロック!大地を揺るがす男さ!
 カイジュウの1匹や2匹、魔剣ウィスパーで!」

「アースロックさん。死んでください」

メルの提案にアースロックは驚きます。

「え?」

「なるほど。アースロックさんが死ぬ気になれば島ごと動かすことも出来ますよね?」

雪尾の言葉にアースロックが更に驚きます。

「雪尾さんまで何を言っているんですか!」

ハラペコクリスティーヌは、戸惑いつつもアースロックに事情を話しました。
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