不老に剣士

はらぺこおねこ。

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Scene07 夢を叶える像

125 七つの大罪

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少女の名前はハラペコ。
ハラペコクリスティーヌ。
七つの大罪の暴食担当をしています。

ハラペコクリスティーヌは飢餓に苦しむ子どもたちのため釣りをしています。

「あと1匹釣れたらやめにして、ご飯を作りましょう!」

クリスティーヌはそのセリフを500回以上言っています。

でも、釣る度に美味しそうなお魚さんを見ていると。
料理への創作意欲が沸き。
3000品くらいの料理レシピが浮かびました。

【ぴくん、ぴくん、ぴくん】

私の釣り竿が音を立てて魚が釣れたを電子音で教えてくれます。
この釣り竿は、愛流狩メルカリという通販サイトでハデスから購入した便利なアイテムです。
バイブレーターモードにも変えれるので夜釣りなど静かな場所での釣りにももってこいです!

でも、ハラペコクリスティーヌは、このあと後悔することになります。

「死に鯛な」

魚が呟きます。
それは、危険生物に認定されている凶悪なモンスターです。

「はぁ、鯛なのにたらこ唇ってどうよ?」

死に鯛なというモンスターは、愚痴をひたすら言い続けるモンスターです。
肉自体は美味しいのですが……

簡単には食べさせてくれません。

愚痴をひたすら聞かなくてはいけません。

肉弾戦で倒そうと思えばいくらでも倒せる自信がハラペコクリスティーヌにはありますが……
それに伴う周りの被害を考えると損害のほうが大きいのです。

「はぁ、童貞のまま死ぬのは嫌だな」

「童貞なのですか?」

私は禁断のキーワードを言ってしまいました。

「そうだよ童貞だよ。
 俺は人間なら姉ちゃんに1発お願いしてたかもしれないな。
 お姉さん綺麗だし」

(人間がそんなことをいったら1発どころか100発くらい殴りますけどね。死なない程度に……)

「はぁ、イヤダイヤダ死にたくないよ」

「リリースしましょうか?」

そう食べない選択肢もある。

(私って天才!なんで気づかなかったんだろ)

「傷物はこの業界では誰とも交尾はさせてくれないさー」

「それはかなしいですね」

(このまま愚痴を聴くしかないか……)

ハラペコクリスティーヌがそう思ったそのとき。
勇者が現れました。

「大魔王ハラペコクリスティーヌ!今、我の剣のサビにしてくれ――」

勇者がそういった瞬間。
死に鯛なの水鉄砲により勇者の剣は消滅しました。

「塩水のほうが錆びるぞ」

勇者は今度は鞭を取り出すと「お前など鞭打ちだ」といって鞭を振り回します。

「はぁ。愚かな」

死に鯛なは今度はその鞭にわざと当たり鞭を破壊しました。

お気づきになった方も多いでしょうが。
死に鯛なは別名人間になりそこなった転生者ともいわれ。
チート級のレベルアップ権限を持ちます。

今のレベルは120超えてますね。

勇者は腰を抜かしその場から動けなくなりました。

「んでな」

死に鯛なさんの話をハラペコクリスティーヌは聞きました。

「前世はニートで無職で親をいっぱい泣かし。
そして居眠り運転のトラックにぶつかりそうになったところ。
女子高生が何故か助けてくれて。
でも、そのせいで女子高生が身代わりになって命を落としたそうです。
それを責めるかのように家には毎日迷惑電話。
唯一の癒やし場の吐いたついたーにも脅迫ダイレクトメールがくるようになり。
両親は自殺、その後ホームレスになるも誰とも人間関係を築くこともできず。餓死した。
そして心機一転新しい人生を送るぞってところに現れたのが君だ」

死に鯛なは、他にも存在しています。
魚のチート級では上位に食い込みます。

でも、魚なので前が世魚の人は普通に交尾できて死ぬんですけどね。

「ありがとう」

死に鯛なの言葉がハラペコクリスティーヌの心に響きます。
そして、輪っかが黄色くなり。

ハラペコクリスティーヌと村人のお腹の中へ行くことになりました。
食べたとき。
ハラペコクリスティーヌの涙は止まりません。
先程食べた死に鯛なの記憶が全て流れてきたからです。
今日は静かに寝ましょう。
そう思いました。
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