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Scene04 あなたへ
88 魔力のりんご
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丹歌が目を覚ましたとき。
そこには母親であるフミがいました。
りんごを剥いていました。
「おかあさま?」
丹歌は驚きます。
「まだ母と呼んでくれるのね」
フミも罪悪感がありました。
「……はい」
「りんご食べる?」
「いただきます」
丹歌がそのりんごをひとかけら頬張ります。
「美味しい?」
「はい」
「それは魔力のりんご」
「え?」
フミの言葉に丹歌は驚きます。
「魔力のりんごって……世界にひとつしかないりんごじゃないですか!」
「そうよ」
「そんな……どうしてですか?」
「貴方の壁を取り除くため……」
「壁……ですか?」
「それがあるから貴方は魔法を放てない……そうでしょう?」
「はい」
「でも、これを食べるとなると貴方は遠慮する」
「はい」
「これは魔力のりんご、魔法の循環を良くするもの。
魔法のコントロールが苦手な貴方にあげようと、ずっと探していたものですよ」
「そんな大事なものを……!」
「何を言っているのかしら?
私にとってみれば、貴方も大切だったのです」
丹歌の身体が光ります。
「これで魔法の壁を解除したいとき。
いつでも放てます。
魔法の壁は貴方の特性です。
これは解けないし解けなくてもいいでしょう。
いわゆる覚醒開花状態になりました。
能力の基礎値もあがります」
「……ありがとうございます」
丹歌は目に涙を浮かべてお礼を言いました。
「さて、亜金よ。
ここに来たのには理由があるのだろう?」
ポコ王が、そういって部屋に入ってきます。
「はい、実は……」
丹歌は白銀からの課題で異世界の精霊と契約しなければならないことを伝えました。
「なるほど」
ポコ王は頷くとフミがいいます。
「貴方。
今のこの子ならあの世界への切符が使えるかも知れません」
「そうだな」
丹歌にはその言葉の意味がわかりません。
「その前に、君の今の名前を聞かせてくれないかい?」
「僕の名前は丹歌。
詩空丹歌。
ニコニコの丹歌です」
丹歌はそういうとポコ王はいいます。
「いい名前だ……」
ポコ王とフミはそういって優しく微笑みました。
そこには母親であるフミがいました。
りんごを剥いていました。
「おかあさま?」
丹歌は驚きます。
「まだ母と呼んでくれるのね」
フミも罪悪感がありました。
「……はい」
「りんご食べる?」
「いただきます」
丹歌がそのりんごをひとかけら頬張ります。
「美味しい?」
「はい」
「それは魔力のりんご」
「え?」
フミの言葉に丹歌は驚きます。
「魔力のりんごって……世界にひとつしかないりんごじゃないですか!」
「そうよ」
「そんな……どうしてですか?」
「貴方の壁を取り除くため……」
「壁……ですか?」
「それがあるから貴方は魔法を放てない……そうでしょう?」
「はい」
「でも、これを食べるとなると貴方は遠慮する」
「はい」
「これは魔力のりんご、魔法の循環を良くするもの。
魔法のコントロールが苦手な貴方にあげようと、ずっと探していたものですよ」
「そんな大事なものを……!」
「何を言っているのかしら?
私にとってみれば、貴方も大切だったのです」
丹歌の身体が光ります。
「これで魔法の壁を解除したいとき。
いつでも放てます。
魔法の壁は貴方の特性です。
これは解けないし解けなくてもいいでしょう。
いわゆる覚醒開花状態になりました。
能力の基礎値もあがります」
「……ありがとうございます」
丹歌は目に涙を浮かべてお礼を言いました。
「さて、亜金よ。
ここに来たのには理由があるのだろう?」
ポコ王が、そういって部屋に入ってきます。
「はい、実は……」
丹歌は白銀からの課題で異世界の精霊と契約しなければならないことを伝えました。
「なるほど」
ポコ王は頷くとフミがいいます。
「貴方。
今のこの子ならあの世界への切符が使えるかも知れません」
「そうだな」
丹歌にはその言葉の意味がわかりません。
「その前に、君の今の名前を聞かせてくれないかい?」
「僕の名前は丹歌。
詩空丹歌。
ニコニコの丹歌です」
丹歌はそういうとポコ王はいいます。
「いい名前だ……」
ポコ王とフミはそういって優しく微笑みました。
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