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Scene.06 Blue Moon

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 ブリ男が、大きく息を吐く。

「死ぬかと思いました……」

 ブリ男は、そう言って震える腕を押さえる。

「じゃ、死んでくれても構わないんだぜ?」

 黒い影がそう言うとブリ男の顔に一撃浴びせる。

「……ん?」

 ブリ男が、その影を睨む。

「なんだよ?
 俺の顔、忘れたか?」

 黒い影が月明かりに照らされ姿を現す。

「顔じゃなく魔力でわかりますよ。
 ジュウ……でしたっけ?」

「ああ、そうだ。
 俺は今日、お前を倒すように命令されたんだ。
 命をかけて俺はお前を倒す」

 ジュウの牙が鋭く光る。

「名前のある怪人程度で……
 ですか?」

「お前を倒せば、ブリキュアのレベルアップは出来ないのだろう?
 アイツらは、人間じゃなく怪人を倒すことでレベルが上がる。
 今の段階では、俺らの足元にも及ばない。
 だが、放っておけば俺らの命が危ないんでな!
 だから殺す!今!ここで!お前を!確実に!殺す!」

 ジュウが、そう言って雄叫びを上げる。

「貴方が、僕を殺すのですか?」

 ブリ男の目が黄金に光る。

「お前程度なら俺で――」

 ジュウが、そこまで言ったとき言葉を止める。

「もう一度訪ねます。
 貴方が僕を殺せるのですか?」

「……貴様、その魔力は!」

 ブリ男が、銃を召喚する。
 フリーズガンだ。

「そうです。
 僕は……」

 ブリ男は、そこまで言葉を続けてそして銃弾を放つ。

 ジュウが、その銃弾を避ける。

「ブレイク」

 するとその銃弾が散弾銃のように散らばる。
 そして、その破片がジュウの足あとに触れる。
 ジュウの足元が凍る。

「この魔力、だが……
 そんなはずは……!」

「おしゃべりしている余裕はあるんですか?」

 ブリ男が、そう言ってジュウの額に銃口を当てる。

「殺せよ……」

 ジュウが、そう言うとブリ男は小さく笑う。

「はい、殺します。
 僕の魔力に気づいてしまった。
 それだけで死に値します」

 ジュウは、覚悟を決める。

「では、さようならです」

 ブリ男は、そう言ってフリーズガンの引き金を引いた。
 するとガラスが、割れる音が鳴り響く。
 ジュウの全身が、一瞬で凍る。
 そして、砕け散る。

 そこには、ただひとりブリ男のみが残された。
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