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Scene.03 清らかな空

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「本当に食べてる……」

 早良が、目を丸くしている。

「け、ケルベロスは甘いモノが大好きなんです。
 だから、この子もきっと甘いモノが好きなのでしょう」

 ブリ男が、そう言うと清空が笑う。

「なかなかコイツ可愛いな」

 清空は、そう言ってケルベロスの首筋をなでた。

「きゅい!」

 ケルベロスは、嬉しそうに声を出す。

「ケルちゃん、人懐っこいから誰にでも懐くねん」

 ハデスが、そう言うと早良が頬を赤らめる。

「私も触ってもいい?」

「かまへんで。
 ケルちゃん、お座り!」

 ハデスの声掛けによりケルベロスは「きゅい」と鳴くと静かに座った。

「鳴き声がかわいいかも……」

 ケルベロスは、早良のその言葉に喜ぶかのように尻尾を振る。

「まぁ、なんだ……
 話がややこしくなってついていけないのだが……」

 無が、そう言うとブリ男が咳払いをした。

「そうですね。
 とりあえず、ブリキュアを1名追加する予定です。
 ただ適任の方がわかりません。
 できれば、この街の平和はこの学校の方に護って欲しいのですが……」

「せやったらウチも協力させてもらうで?
 ウチもこう見えて魔獣ハデスや。
 そこそこ強いねんで?」

「まぁ、そこは信用するとして早良さん、清空さん、無さん、そしてハデスさん。
 この4人では、まだ少し戦力不足です。
 戦隊ヒーローでも5人はいるでしょう?
 複数の場所を襲われたら、おそらくそれくらいの人数が必要になります」

「アンタは、戦わへんのん?」

 ハデスの質問にブリ男が答える。

「はい。
 僕はこう見えて、魔界のサラリーマンです。
 人間と魔族の戦いに介入することが出来ません。
 それに僕には戦闘能力はほぼありません。
 名を持つ怪人を何とか倒せるか倒せないか程度です。
 しかし、早良さん、清空さんに至っては名を持つ怪人を倒すことも出来ません。
 徐々に経験値を稼いでもらわなくてはいけません」

「それは、かなんなぁー」

 ハデスが、大きくうなずいた。

「まぁ、それに関しては魔界の経験値部屋を用意します。
 そして、今後現れる名のある怪人と戦ってもらいます」

 ブリ男が、そう言うとボクが言葉を出す。

「あの……
 僕も強くなれないかな?」

「え?」

「僕も強くなりたい。
 せめて自分の身を護れるくらい強く……」

 ボクの目は、しっかりとブリ男の方を見た。
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