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Scene.02 影のない男

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「って、いきなり学校に来るものなのか?」

 清空が、ブリ男の方を見る。

「んー。
 たまたまじゃないでしょうか?」

 ブリ男がそう答えると無が影を伸ばしサーラたちの方へと移動した。

「それ、便利な能力だな」

 清空が、無の方に向かってそう言うと無は小さく笑う。

「この技は、危険な技だ……
 良い子は真似するなよ?」

 すると清空がすぐにツッコむ。

「真似は出来ないから安心しろ」

「それは、残念だ」

 無が、そう言うとボクの方を見る。

「ボクは、怪我はないようだな」

「うん。
 ありがとう」

「まぁ、こんな感じで怪人はボクを狙ってきますからサーラさんも護れる範囲でいいので護ってあげてください」

 ブリ男が、そう言うとサーラはうなずいた。

「あ、はい」

「さてさて、サーラさんもそろそろ姿を戻しましょう。
 人の気配がします」

「あ、はい……」

 サーラは、早良へと姿を戻した。

「はい。
 みなさまご苦労様でした」

 ブリ男は、そう言ってニッコリと笑う。

「じゃ、今日は鰤谷の奢りで焼肉だな!
 鰤谷の歓迎会も兼ねて!」

 清空がそう言うとブリ男が戸惑う。

「ちょっと待って下さい。
 割り勘じゃないんですか?
 奢りってなんですか?僕は貧乏なサラリーマンですよ?」

 ブリ男が、慌てながらそう言うと早良が小さく笑う。

「あ、早良が笑った」

 清空が、そう言ってニッコリと白い歯を見せる。

「ほう、伊藤もそんな顔が出来るんだな」

 無は、そう言って優しく微笑む。
 ボクは、不思議そうな顔で早良の方を見ている。

「ほら、男なら『早良さんのその笑顔に乾杯!』とか言ってみろ!」

 清空が、そう言ってケラケラ笑う。

「なんですか?
 その古臭い口説き文句は……」

 ブリ男が、ため息をつく。

「寿司で良ければ親父に頼んでやろうか?
 格安友だち料金で、寿司セットを提供してくれるかもしれない」

「寿司もいいな!」

 清空が笑う。

「だろ?」

 無も笑う。

「わかりました……
 格安友だち料金でお願いします」

 ブリ男は半ば押される感じで、それを承諾した。
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