マーメイド

04 赤ちゃんの十戒

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　ケーキを食べ終えた理香は、父と一緒にお風呂に入る。

「理香、ケーキは、美味しかったか？」

「うん！」

　父の問いに理香は、大きく頷いた。

「そっかー。
　また、ケーキ食おうな！」

「うん！」

　理香は、再び大きくうなずく。

　父が、理香の身体を綺麗に洗った。
　その後、シャンプーで髪を綺麗に洗う。
　最後に頭からシャワーを浴びる。

　お湯の温度も熱くないように……
　そして、冷たくないように設定されている。
　だから、気持ちがよく理香は嬉しそうに笑った。

　しあわせ。

　それ以外の言葉しか思いつかなかった。
　つらいこと、悲しいこと、まだ幼い理香にも色々ある。
　しかし、この瞬間だけは全てを忘れることが出来た。


　お風呂からあがると理香は、父に抱きかかえられベッドへと向かった。

　ベッドは気持ちが良かった。
　ふわふわして、干したての布団は太陽の香りがして気持ちが良い。
　理香は、すぐに眠りについた。


　温かい布団に暖かいお風呂。
　そして、美味しいご飯。


　今日は、全て体験した。
　今日は特別な日。
　そう、今日は理香の2回目の誕生日。
　理香は2歳になったのだ。