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03 大好き
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――それから数年後
壱は、パンダのマークを目印とした斎藤警備会社を立ち上げていた。
警備の評価はもちろんながら、斎藤警備会社のホームページのユーモア溢れるデザインで人々の心を掴み、バッチグーデザイン賞を受賞した。
そして、それを気に壱は、斎藤デザイン警備会社と社名変更し幼稚園や保育園や学校などの中心とした警備に力を入れ……
「ひとり誰かを救うことが出来れば、そのひとりが誰かを助けてくれるかもしれない。
そして、そのひとりがまた誰かを助け笑顔の輪が広がる世界を僕は見てみたい」
この言葉を座右の銘にして、今日も立派に警備をしていた。
そして、壱は社長でありながら街の警備を自らの足でしていたとき……
ある喧嘩を目撃した。
「ちょっと、なにをしているのかな?」
そこにいたのは、服が破れた女性と一人の青年。
そして、複数の男子高生だった。
複数の男子高生たちのひとりは、壱に向かって唾を吐く。
「なんだ?コイツ。
パンダの警備さんじゃないのか?
警備員ごときが俺らに逆らっているんじゃねぇよ!」
男子高生たちの視線が、壱の警備員服のパンダのパッチワークを見ていた。
男子高生のひとりが、そう言って壱に殴り掛かる。
しかし、壱はその拳を避けその男子高生に尻もちをつかせた。
「ああん?
一警備員の分際で!
お前なんて、俺の親父の鶴の一声でクビにできるんだぞ!」
壱の眉間に皺が寄る。
「うーん。
それは、困ったな」
壱がため息を吐くとその男子高生が、ニッコリと笑う。
「じゃ、土下座だな。
土下座!」
男子高生たちが手をたたき始める。
「どーげーざー!どーげーざー!」
すると絡まれていただろう青年が、その男子高生のひとりの顔を殴った。
「なにするんだ?
テメェ!お前も土下座しろ!」
すると青年は聞き覚えのある声で答える。
「その人は、土下座なんてしないっす!」
壱は、その声に驚く。
「この声は、梨麻くん?」
「そうっす……
久しぶりっすね!」
そして、別の男子高生をまた殴った。
「くそ!知り合いか!こうなったら戦争だ!」
リーダー格の男子高生が、そういうと他の男子高生たちがそれぞれバタフライナイフを取り出し構えた。
しかし、壱は怯まなかった。
「その人に武器を出さないほうがいいっすよ?」
梨麻が、小さな声でそう言った。
「ああん?ビビってるのか?」
「そうじゃないっすよ」
「じゃ、どう言う――」
リーダー格の男子高生がそう言ったところでひとりの若い女性が、その男子高生の体が宙に舞う。
「はい!」
その女性の名前は美知子。
壱の専属秘書をしている女性だ。
「お?壱さんの彼女っすか?
すごく強いっすね」
梨麻が、小さく笑う。
「彼女じゃありません!」
美知子が顔を赤くさせながらそう言った。
壱は、パンダのマークを目印とした斎藤警備会社を立ち上げていた。
警備の評価はもちろんながら、斎藤警備会社のホームページのユーモア溢れるデザインで人々の心を掴み、バッチグーデザイン賞を受賞した。
そして、それを気に壱は、斎藤デザイン警備会社と社名変更し幼稚園や保育園や学校などの中心とした警備に力を入れ……
「ひとり誰かを救うことが出来れば、そのひとりが誰かを助けてくれるかもしれない。
そして、そのひとりがまた誰かを助け笑顔の輪が広がる世界を僕は見てみたい」
この言葉を座右の銘にして、今日も立派に警備をしていた。
そして、壱は社長でありながら街の警備を自らの足でしていたとき……
ある喧嘩を目撃した。
「ちょっと、なにをしているのかな?」
そこにいたのは、服が破れた女性と一人の青年。
そして、複数の男子高生だった。
複数の男子高生たちのひとりは、壱に向かって唾を吐く。
「なんだ?コイツ。
パンダの警備さんじゃないのか?
警備員ごときが俺らに逆らっているんじゃねぇよ!」
男子高生たちの視線が、壱の警備員服のパンダのパッチワークを見ていた。
男子高生のひとりが、そう言って壱に殴り掛かる。
しかし、壱はその拳を避けその男子高生に尻もちをつかせた。
「ああん?
一警備員の分際で!
お前なんて、俺の親父の鶴の一声でクビにできるんだぞ!」
壱の眉間に皺が寄る。
「うーん。
それは、困ったな」
壱がため息を吐くとその男子高生が、ニッコリと笑う。
「じゃ、土下座だな。
土下座!」
男子高生たちが手をたたき始める。
「どーげーざー!どーげーざー!」
すると絡まれていただろう青年が、その男子高生のひとりの顔を殴った。
「なにするんだ?
テメェ!お前も土下座しろ!」
すると青年は聞き覚えのある声で答える。
「その人は、土下座なんてしないっす!」
壱は、その声に驚く。
「この声は、梨麻くん?」
「そうっす……
久しぶりっすね!」
そして、別の男子高生をまた殴った。
「くそ!知り合いか!こうなったら戦争だ!」
リーダー格の男子高生が、そういうと他の男子高生たちがそれぞれバタフライナイフを取り出し構えた。
しかし、壱は怯まなかった。
「その人に武器を出さないほうがいいっすよ?」
梨麻が、小さな声でそう言った。
「ああん?ビビってるのか?」
「そうじゃないっすよ」
「じゃ、どう言う――」
リーダー格の男子高生がそう言ったところでひとりの若い女性が、その男子高生の体が宙に舞う。
「はい!」
その女性の名前は美知子。
壱の専属秘書をしている女性だ。
「お?壱さんの彼女っすか?
すごく強いっすね」
梨麻が、小さく笑う。
「彼女じゃありません!」
美知子が顔を赤くさせながらそう言った。
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