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03 大好き
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すると壱は、梨麻から離れてその男の腹部に一撃を浴びせ落ちるバットをキャッチした。
「武器を持つのは反則だよ?」
壱は、そう言ってバッドを男たちの方に向けた。
すると男たちは、そのまま走って逃げた。
「絶対に後悔させてやるからな!」
その捨て台詞を残して……
「あれ?
もしかして、あっちのほうが悪もの?
君、大丈夫?」
壱が首を傾げて梨麻に尋ねた。
「あー、いや。
多分俺も悪ものっす」
「そうなの?
でも、君強いよ!
あんな大勢相手になんとかなってたもん!」
「アンタも結構強いっすね。
アイツらも相当強かったはずなのに一瞬で追い払うことが出来たっすから……」
「あの人たちは弱いよ?
で、君はこういうことをされることに心当たりあるの?」
「さっきも言ったように。
多分、アイツらは俺がモテるのが気に喰わないんっすよ」
梨麻が、そう言って苦笑いを浮かべた。
「モテることが悪だとは僕は思わないけどね」
「そうっすか?」
「うん」
壱は、梨麻の話をそのあと聞いた。
色んな話をした。
自己紹介から梨麻に妹がいること。
妹は、貧乳で巨乳になることが夢で日々頑張っていること。
そんな他愛もない話をした。
梨麻は、思った。
この人は、尊敬できる人だと……
そして、その話をしたあとすぐに梨麻の妹である菜々が制服姿で現れた。
「お兄ちゃん!
また、他所さまに迷惑をかけたの!?
お兄ちゃんが喧嘩している噂、こっちまできたよ!」
菜々は、そう言ってゆっくりと壱の方を見る。
壱は軽く会釈した。
「この子が妹さん?」
「そうっす」
「可愛い子だね」
壱が、そういうと菜々は少し照れた表情でうなずいた。
「あ、ありがとうございます」
菜々は、お礼を言ったあと顔をカバンで隠した。
「壱さんなら菜々を安心して預けれます。
貰ってやってください」
梨麻が、冗談っぽくそういうと菜々は少し照れながら言った。
「私、付き合うなら童貞がいいです。
お兄ちゃんみたいな、複数の女の人と関係を持っている人は嫌だなぁ」
それを聞いた梨麻が嬉しそうにいう。
「壱さん、年齢=彼女いない歴だから大丈夫っすよ」
「そうなんですか?」
菜々は、少し照れくさそうに言った。
「うん、僕は童貞だけど……
童貞がいいって珍しいね」
「一緒に勉強したいんです」
菜々が、そう言って壱の目を見る。
すると告白されたわけでもないのに壱の顔が赤くなる。
「かわいい!」
菜々が、嬉しそうに笑った。
これは、壱と梨麻、そして菜々の悲しい悲しい思い出への一歩だった。
「武器を持つのは反則だよ?」
壱は、そう言ってバッドを男たちの方に向けた。
すると男たちは、そのまま走って逃げた。
「絶対に後悔させてやるからな!」
その捨て台詞を残して……
「あれ?
もしかして、あっちのほうが悪もの?
君、大丈夫?」
壱が首を傾げて梨麻に尋ねた。
「あー、いや。
多分俺も悪ものっす」
「そうなの?
でも、君強いよ!
あんな大勢相手になんとかなってたもん!」
「アンタも結構強いっすね。
アイツらも相当強かったはずなのに一瞬で追い払うことが出来たっすから……」
「あの人たちは弱いよ?
で、君はこういうことをされることに心当たりあるの?」
「さっきも言ったように。
多分、アイツらは俺がモテるのが気に喰わないんっすよ」
梨麻が、そう言って苦笑いを浮かべた。
「モテることが悪だとは僕は思わないけどね」
「そうっすか?」
「うん」
壱は、梨麻の話をそのあと聞いた。
色んな話をした。
自己紹介から梨麻に妹がいること。
妹は、貧乳で巨乳になることが夢で日々頑張っていること。
そんな他愛もない話をした。
梨麻は、思った。
この人は、尊敬できる人だと……
そして、その話をしたあとすぐに梨麻の妹である菜々が制服姿で現れた。
「お兄ちゃん!
また、他所さまに迷惑をかけたの!?
お兄ちゃんが喧嘩している噂、こっちまできたよ!」
菜々は、そう言ってゆっくりと壱の方を見る。
壱は軽く会釈した。
「この子が妹さん?」
「そうっす」
「可愛い子だね」
壱が、そういうと菜々は少し照れた表情でうなずいた。
「あ、ありがとうございます」
菜々は、お礼を言ったあと顔をカバンで隠した。
「壱さんなら菜々を安心して預けれます。
貰ってやってください」
梨麻が、冗談っぽくそういうと菜々は少し照れながら言った。
「私、付き合うなら童貞がいいです。
お兄ちゃんみたいな、複数の女の人と関係を持っている人は嫌だなぁ」
それを聞いた梨麻が嬉しそうにいう。
「壱さん、年齢=彼女いない歴だから大丈夫っすよ」
「そうなんですか?」
菜々は、少し照れくさそうに言った。
「うん、僕は童貞だけど……
童貞がいいって珍しいね」
「一緒に勉強したいんです」
菜々が、そう言って壱の目を見る。
すると告白されたわけでもないのに壱の顔が赤くなる。
「かわいい!」
菜々が、嬉しそうに笑った。
これは、壱と梨麻、そして菜々の悲しい悲しい思い出への一歩だった。
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