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02 魔法使い遊園地に行く

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「綺麗だね」

 夕日に照らされている橘さんがそう言った。

「君も綺麗だよ」

 なんて言葉は、口が裂けても言えない。
 心のなかで何度もつぶやいてみたけれど言葉には出せなかった。
 橘さんは、そんな俺を見て優しく微笑んでくれたけど観覧車にいた30分間、ひとことも話すことが出来なかった。

 観覧車を降りるとそのまま遊園地のゲートを出た。

「この辺で飲める店ってあるんですか?」

 何かを話さなければいけないと思った俺が、唯一でた言葉だった。
 橘さんは、優しく笑って答えてくれた。

「駅の方に行けばいっぱいお店がありますよー
 今日は、お姉さんがリードしちゃうぞ」

 橘さんが照れ笑いを浮かべながらそう言った。

「よろしくおねがいします」

 俺は、そう言って軽くお辞儀をした。
 橘さんはクスリと笑ってこう言った。

「こちらこそ、よろしくおねがいします」

 橘さんが、可愛すぎてどうしたらいいかわからない。
 テンションも上がってきたし……
 どうしようかな。
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