嘘恋

07 さよならのはじまり

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　メールを開けるとそこには動画が添付されていた。
　僕は、添付されていた動画を開いた。

「真治が、このメールを見ている時は、私はたぶん死んでいると思う。
　もし、死んでいなかったら、ここでムービーを止めて欲しいな……」

　はるかさんが、珍しく真面目な顔をしている。
　僕は、静かにその動画の続きを見た。

「私ね、白血病でした。
　余命一年だってさ……
　苦しむ姿を、真治に見せたくなかったから……
　だから、そのまえに飛び下りました……
　ごめんね……」

　だったのなら、僕も一緒に戦いたかった。

「真治の事だからさ、私の後を追って飛び降りようとしている気がするんだ。
　それは、絶対に止めて！真治は生きて！
　そこで、死んじゃったら、もうキスなんてしてあげないんだからね！
　だから、真治は生きてね！
　もう、時間がないから今日はここまで！
　寂しくなっちゃうけど、今の真治なら大丈夫！
　きっと新しい恋が見つかるから！」

　ムービーは、そこで途切れていた。
　どうやってメールを送ったんだろう。
　僕は、送信先を確かめた。
　するとパソコンからだった。
　はるかさんは、凄いな……
　一気に死にたい気分が冷めた。
　一歩踏み込もうとすると、はるかさんの声が聞こえる。

「真治は、生きてね！」

　僕は、死ねなかった。