嘘恋

04 5月5日

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「それは、難しいよ」

「私、なんでもするよ？」

「なんでも……？」

「真治が、私の肌に触れたいって思ってくれるなら……
　いっぱい触って欲しい」

「ありがとう。
　でも、無理だと思う。
　僕は今まで僕が人から愛されないことを教えられてきし経験もした。
　うまれてからずっとずっとずっとね……
　だから、好きってわからない。
　僕は、自分を嫌っている人を好きになれるほど器はでかくない。
　それに今さら、好かれるかもしれないってちょっと言われただけでそれを受け入れることなんて出来ない」

「ごめんね」

　はるかさんが、謝った。

「え？」

「その人たちの償い。
　私がする」

　はるかさんは、そう言って服を脱ごうとした。

「え？何をしているの？」

「私が、身体で償うの！」

「そういうつもりで言ったんじゃないよ！」

　はるかさんの顔が今にも泣きそうだ。
　僕は、そんなはるかさんの身体を抱きしめた。

「触れるな」

　いつものように僕の中で声が聞こえる。
　僕は、僕の戦い方がある。

「触れるな！」

　何度も何度も繰り返される言葉に僕は心のなかで全力否定した。