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04 5月5日
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「6歳のころからこの家にひとり?」
「うん」
「そっか……
大丈夫?私、陶しくない?」
「大丈夫だよ」
鬱陶しい?
むしろ僕は嬉しかった。
「私、ここにいていいのかな?」
「うん」
「そう、よかった」
はるかさんは、そう言ってうなずくと僕に身体を密着させた。
「えっと……」
僕は、はるかさんからちょっとだけ離れる。
「こら、くっつくな」
「真治さ……
私が近づこうとすると距離をとろうとするね。
どうして?」
「それは……」
また、声が聞こえる。
「喋るな」
「ねぇ、どうして?」
言ったらどうなるんだろう?
嫌われるかな。
でも、言ってしまおう。
そっちのほうがきっと楽になる。
僕は、ゆっくりと口を開いた。
「うん」
「そっか……
大丈夫?私、陶しくない?」
「大丈夫だよ」
鬱陶しい?
むしろ僕は嬉しかった。
「私、ここにいていいのかな?」
「うん」
「そう、よかった」
はるかさんは、そう言ってうなずくと僕に身体を密着させた。
「えっと……」
僕は、はるかさんからちょっとだけ離れる。
「こら、くっつくな」
「真治さ……
私が近づこうとすると距離をとろうとするね。
どうして?」
「それは……」
また、声が聞こえる。
「喋るな」
「ねぇ、どうして?」
言ったらどうなるんだろう?
嫌われるかな。
でも、言ってしまおう。
そっちのほうがきっと楽になる。
僕は、ゆっくりと口を開いた。
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