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04 5月5日
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テレビをつけると。バンカーという番組がやっていた。
バンカーといえば、「あんたがバンカー」で有名な番組だ。
僕も一度だけインタビューを受けたことがあるけれどテレビではカットされていて残念だったのを覚えている。
そんなことを考えながらテレビを見ていると僕は、眠ってしまったようだった。
「出来たよー」
そして、その声に目覚める。
「あ、うん……」
はるかさんは、ニッコリと笑うとシチューとコロッケがテーブルに並べられていた。
「コロッケも作ってくれたの?」
「うんん。
今日は、お惣菜のコロッケを温めたんだー」
「そっか」
「熱いうちに食べよう!」
はるかさんの笑顔がいちいち眩しい。
僕は、ひとくちシチューを口の中に入れた。
美味しい。
今思えば、自分以外の手料理なんて食べたのは十年ぶりくらいかな?
いつもは、コンビニかファーストフード。
あるいは、僕が自分で作るかだった。
「美味しい?」
はるかさんが、そう言って僕の方を見る。
「不味くはない」
僕の中にいるちょっと意地悪な部分が目を覚ます。
「えー
なにそれー」
はるかさんは、そう言ってケラケラ笑った。
バンカーといえば、「あんたがバンカー」で有名な番組だ。
僕も一度だけインタビューを受けたことがあるけれどテレビではカットされていて残念だったのを覚えている。
そんなことを考えながらテレビを見ていると僕は、眠ってしまったようだった。
「出来たよー」
そして、その声に目覚める。
「あ、うん……」
はるかさんは、ニッコリと笑うとシチューとコロッケがテーブルに並べられていた。
「コロッケも作ってくれたの?」
「うんん。
今日は、お惣菜のコロッケを温めたんだー」
「そっか」
「熱いうちに食べよう!」
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今思えば、自分以外の手料理なんて食べたのは十年ぶりくらいかな?
いつもは、コンビニかファーストフード。
あるいは、僕が自分で作るかだった。
「美味しい?」
はるかさんが、そう言って僕の方を見る。
「不味くはない」
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