嘘恋

はらぺこおねこ。

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03 5月4日

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「真治の方こそ、私のこと怖がってない?」

「え?それはないよ」

「嘘、私と逢った時から真治の目はずっと怯えている」

 それは違う。
 はるかさんが、怖いわけじゃない。
 声がするんだ。
 それが怖いんだ。

 だけど言えなかった。
 怖くて言えなかった。
 なにに怖いかわからないけど怖いんだ。

 そして、まだこれを言えるほど、はるかさんを信じているわけじゃない。

「私、人の心を読むことが出来るんだ」

「え?」

「だから、全部話してほしいな。
 真治のこと全部知りたいから……」

 はるかさんが、そう言ったとき。
 観覧車は終点を迎えた。

「ゆっくりでいいからさ……
 いつか、絶対話してね」

 はるかさんは、そう言って観覧車を降りた。
 僕もその後に続いた。
 そして、僕たちはそのあと一切話すことなく。
 ひららーのゲートの前で別れた。
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