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03 5月4日
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なにも考えれない。
頭のなかがまっしろ。
なのにあの声は、まだ続く。
「触れるな」
「喋るな」
「近づくな」
様々な声色が僕の頭を刺激する。
僕は、どうすることもできない。
向こうから行動に移してくれている。
僕は、何もしていない。
逃げる?
何処に?
動く?
動けない。
怖い?
怖くない。
はるかさんの舌が僕の舌に当たる。
舌と舌がぶつかりあい変な気分。
はるかさんの息遣いが僕の顔に当たる。
はるかさんの髪が僕の鼻にあたりむず痒い。
これ以上はダメだ……
僕は、強引にはるかさんから身体を離した。
そして、大きなくしゃみをした。
その寸前。
はるかさんの顔が見えた。
はるかさんは、涙を流していた。
でも、すぐにそれは笑顔に変わる。
まずいよね……
これは、普通の容姿の人間でもやってはダメなことだ。
僕は、深く反省した。
でも、はるかさんは笑っている。
「私、職業柄色んな人とキスしたけど、キスの最中にクシャミをされたのは真治が初めてだよ」
「ごめん」
「気にしない!
恋人でもないのにキスの最中に胸をももうとする男もいるんだもん。
そんなのに比べたら何億倍もマシ!」
「そっか……」
「キスは、初めて?」
「うん」
「私が、初めての人なのね」
はるかさんは、そういうと照れながら嬉しそうに笑った。
頭のなかがまっしろ。
なのにあの声は、まだ続く。
「触れるな」
「喋るな」
「近づくな」
様々な声色が僕の頭を刺激する。
僕は、どうすることもできない。
向こうから行動に移してくれている。
僕は、何もしていない。
逃げる?
何処に?
動く?
動けない。
怖い?
怖くない。
はるかさんの舌が僕の舌に当たる。
舌と舌がぶつかりあい変な気分。
はるかさんの息遣いが僕の顔に当たる。
はるかさんの髪が僕の鼻にあたりむず痒い。
これ以上はダメだ……
僕は、強引にはるかさんから身体を離した。
そして、大きなくしゃみをした。
その寸前。
はるかさんの顔が見えた。
はるかさんは、涙を流していた。
でも、すぐにそれは笑顔に変わる。
まずいよね……
これは、普通の容姿の人間でもやってはダメなことだ。
僕は、深く反省した。
でも、はるかさんは笑っている。
「私、職業柄色んな人とキスしたけど、キスの最中にクシャミをされたのは真治が初めてだよ」
「ごめん」
「気にしない!
恋人でもないのにキスの最中に胸をももうとする男もいるんだもん。
そんなのに比べたら何億倍もマシ!」
「そっか……」
「キスは、初めて?」
「うん」
「私が、初めての人なのね」
はるかさんは、そういうと照れながら嬉しそうに笑った。
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