嘘恋

はらぺこおねこ。

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03 5月4日

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「ブランコ?遊園地にそんなのあるの?」

「あるんだな、これが!」

 僕は、はるかさんに腕を引っ張られるままに乗り物に乗った。
 ブランコ、コーヒーカップ、ジェットコースター。
 マイナス8℃の世界、ゲームセンター。

 色んな乗り物に乗っていると時間なんてあっという間に過ぎた。
 ひとりでだったら苦痛な乗り物の待ち時間も、はるかさんと一緒ならつらくなかった。

「さぁ、最後は観覧車だよ!」

 はるかさんは、そう言って僕の手をぎゅっと握りしめた。

「あ……」

「手汗なんて気にしなくていいよ!
 私も緊張してるんだから!」

 俺は、そのまま手をつないで観覧車に乗った。

「うわー
 高いねー」

 手が繋がったままだから、はるかさんは隣に座っている。

「そ、そうだね」

 僕の胸の鼓動が早くなる。

「もしかして、怖い?」

「だ、大丈夫だよ」

 はるかさんが、鼻歌を歌いながら僕の身体に密着させる。

「知ってる?
 ひららーの観覧車でキスをしたカップルは、幸せになれるんだよ」

 デート、キス、観覧車……
 その時点で、それが出来る人は幸せモノだよ。
 あ、もしかして僕、今しあわ――

 僕の思考が完全に停止する。
 柔らかい匂いと共に僕の唇に何かが触れる。
 はるかさんの顔が近い。
 と言うか、僕の唇にはるかさんの唇が密着している。
 これが、キス……
 唇の感触ってもっと柔らかいものだと思っていた。
 だけど、柔らかいとかそんなの感じる余裕がない。

 なんて言うんだろう……
 これが、夢にまでみた。

 キスなのかな?
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