嘘恋

はらぺこおねこ。

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03 5月4日

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 朝が来る。
 それは、生きていれば必ずやってくる神様が平等に与えてくれるモノ。
 今日は嫌な朝になりそうだ。
 僕は、時間を確かめようと携帯を開く。
 するとはるかからメールが来ていた。

 1通目
【いきなり、デートに誘ってびっくりしちゃったかな?
 ごめんね】

 2通目
【やっぱ、怒っているよね?
 返事待ってます】

 3通目
【返事来ない。
 私、そんなに悪い事したかな?】

 4通目
【もういい……
 出会い系で知り合おうとした私が悪かった。
 真治なんてずっとずっと童貞でいたらいいんだ!】

 5通目
【ごめん……
 ちょっと言い過ぎた……
 仲直りしよう】

 メールは、そこで途切れていた。
 次には、はるかからの着信が何件か着ていた。
 気づかなかったんだ……
 それだけ熟睡していたんだね僕は……
 でも、彼女とはもう合うことはないだろう。
 こんだけ拒絶されたんだ。
 僕にここまで押させる魅力なんて欠片もない。
 それなのに今、僕の携帯は低く唸っている。
 電話番号は【知らない人】。
 つまりはるかだ。
 メールアドレスの交換はしたけれど電話番号の交換はしていなかった。
 最初にかかってきた電話の番号を一応知らない人で登録していた。
 だから、だから僕は……この電話に出てはいけないんだ。
 なのに、なのに、なのに。
 わかっているはずなのに……
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