嘘恋

02 5月3日

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「だから、美人局じゃないってば……」

「美人局はみんなそう言うよ。
　自分で美人局と認めるのは警察署の中だけだよ」

　僕は、そう言ってはるかさんに背中を向けた。
　仮に出会いを求めて僕に会おうとしたとしても……
　この僕の姿を見れば諦めるだろう。
　ってか、がっかりしているだろう。

「ちょっと待って！」

　はるかさんは、そう言うと俺の手を握りしめた。

「人の話は最後まで聞く！
　お父さんにそう教えてもらわなかった？」

「両親には小さいときに捨てられているんだ」

「でも、育ての親がいるでしょう？」

「戸籍上はね……
　でも、小さいころからお金だけ置いてどっかへ行っていたよ」

「ずっとひとりぐらしなの？」

「うん」

「じゃ、今日は真治の家でお泊り会だね」

　はるかさんがニッコリと微笑んだ。