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Scene.02 漁猫
19 奏でる軽音
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びょーーーん
一の間の抜けたギターの音が鳴り響く。
すると葉月のキーボードからもびょーんと間の抜けた音が響く。
生徒たちの注目を浴びるのは、それだけで十分だった。
一度注目を浴びればそこからは一たちのペースに周りを巻き込むことが出来る。
優しく力強いギター音。
軽やかで温かいキーボード。
そして歌がはじまる。
「あんたがどこさ。
くまもとさ――」
そしていきなりはじまる童謡に動揺する生徒たち。
心をしっかりと掴んだ一たち。
部活に勤しむ生徒たち。
廊下の窓から一たちを見つめる少女。
そしてその少女は一に気づくと一目散で駆け寄る。
「あの……」
「ん?」
少女は息を切らしている。
「私を貴方の仲間に入れてください」
照れながら少女はそういった。
「え?」
「噂で聞きました。
軽音部に部員がいないので廃部になるって……」
「え?あ、そうだけど」
一と葉月は目を合わせる。
「5人必要なんですよね?」
「うん」
「私、ベースが出来ます」
「ほうほう?」
葉月は興味深そうにその少女の方を見た。
一の間の抜けたギターの音が鳴り響く。
すると葉月のキーボードからもびょーんと間の抜けた音が響く。
生徒たちの注目を浴びるのは、それだけで十分だった。
一度注目を浴びればそこからは一たちのペースに周りを巻き込むことが出来る。
優しく力強いギター音。
軽やかで温かいキーボード。
そして歌がはじまる。
「あんたがどこさ。
くまもとさ――」
そしていきなりはじまる童謡に動揺する生徒たち。
心をしっかりと掴んだ一たち。
部活に勤しむ生徒たち。
廊下の窓から一たちを見つめる少女。
そしてその少女は一に気づくと一目散で駆け寄る。
「あの……」
「ん?」
少女は息を切らしている。
「私を貴方の仲間に入れてください」
照れながら少女はそういった。
「え?」
「噂で聞きました。
軽音部に部員がいないので廃部になるって……」
「え?あ、そうだけど」
一と葉月は目を合わせる。
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