ジンクス~雨時々曇り

はらぺこおねこ。

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Scene.01 ジンクス

06 それでもいいと思える

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「え?でも私にはバイトが……」

「昼休みに楽しむ会なので。
 バイトなら問題ないよ!」

美姫がニッコリと笑う。

「そ、そうですが……」

みさきは一の方を見る。

「僕も川名さんと一緒にご飯食べたいな―」

一の言葉にみさきは頷く。

「貴方がそういうのなら……」

みさきは小さく笑う。

「やったー!ありがとう!」

美姫はみさきに抱きついた。

「それはちょっと恥ずかしいです」

照れるみさきを他所に一はコロッケパンをかじる。

「あれ?お前、焼きそばパン買ってなかったか?」

「中身がコロッケパンだった」

「そうなのか。
 お前、相変わらずツイてないんだな」

「まぁ、それを含めての僕だから」

「そうだな」

護はそう言うとケラケラ笑った。

夏の蝉は七年間土の中にいると言われている。
そして一週間鳴き続け。
そして命が消える。

見覚えのある少女を見つけたので教室の窓から思わず手を振った。
少女が近づき一の教室にやって来る。

「あの、もしかしてお兄さん、私に手を振りました?」

そして一は我に返る。

「あ、知り合いに似ていたもので……」

「そ、そうですか」

一は幼き頃、一緒によく遊んでいた女の子に似ていたのだと気づく。
その女の子とはひとつの約束をしていました。

「私を見つけたら手を振ってね」

そう言い残し女の子消えた。
一はその言葉を信じて似ている子がいれば手を降ってしまう。
もう彼女は来ないと感じながらも……
もう彼女はいないとわかっていながらも……
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