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Scene08 ワインレッドの心

183 逮捕

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男は笑う。

「弁護士?笑わせるな!
 俺がその気になればお前なんかの首吹っ飛ぶぞ」

すると美幸がため息を吐く。

「君にそんな力があるのかい?」

「少なくてもこの銃でお前の頭を吹き飛ばすくらいできる!」

男はそう言って銃の引き金を引く。

「しかし当たらなかった」

美幸はゆっくりと男に近づく。

「脅しじゃないってわからないのか!」

男は何度も何度も銃を撃つ。

「弾が当たるわけ無いだろ?」

美幸は笑う。

「な、なんでだ?」

「君、その銃は何処で買った?」

「言えるかよ!」

「ちなみに聞くけれど。
 弾は一緒に買ったのかい?
 装填はできるのかい?」

「そんなの初めから入って――」

「んなわけあるか」

小太郎がそう言ってため息を吐く。

「だったらこのナイフで!」

男はナイフを取り出す。
すると素早く小太郎は男を投げ飛ばす。

「あ……?」

男の頭の中は真っ白になる。

「とりあえず逮捕な」

男はそのまま警察官たちに連行された。

「菜花さん、大丈夫?」

太郎が心配そうに菜花に尋ねる。

「うん……」

菜花は今にも泣きそうな声で頷いた。

「……さて君たちからも話を聞きたいんだけど大丈夫かい?」

「はい」

刑事の質問に菜花は頷いた。

太郎は知らなかった。
この日はじめて動画同時視聴者数が1000人を超えたことを。

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