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Scene05 かなしみよこんにちわ

119 わかっていたけど勇者じゃない

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恋次が意識を取り戻したとき。
そこは病院のベッドの上だった。

「負けたのか……」

恋次は小さくつぶやく。

手も足も出なかった。

泣きたくなる。

「意識。
 戻ったみたいだね」

そういったのは医師の春雨はるさめ めいだ。

「……」

恋次はなにも答えない。
その代わりに涙が出る。

「どうしてないているんだい?」

「なぜって……」

恋次は言葉に詰まる。

「……喧嘩に負けたのがそんなにつらいかい?」

「……」

恋次はなにも答えない。

「君は喧嘩の達人でもないだろ?
 負けてもいいんじゃない?」

「え?」

「いいんだよ。君は負けても。
 別に勇者でもなければ賢者でもない」

「そうだけど」

「まぁ、いいじゃない?」

「……」

恋次はなにも言葉が出ない。
それが答えだ。
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