81 / 87
09 謳うものと唄われるもの
82 正義しませんか?
しおりを挟む
逃げまとう人。
逃げる人。
世界は残酷な日常だった。
生きるのは誰か……
戦うのは誰か……
少女にはわからない。
少女の名前は伊藤早良。
普通の漁師の娘で将来の夢は可愛いお嫁さん。
どこにでもいる女子高生だ。
でも、それは終わる。
目の前にいるのは絶望の象徴。
ハタハタの怪人。
メロディの力とは違う。
特殊な能力に特殊な力で目覚めたものたち。
テオスとは違う野望を持った魔界の住人。
「さぁ、選ぶといい」
怪人が早良にナイフを向ける。
「服を脱ぐか。
ナイフで死ぬか」
早良は絶望した。
こんな獣のような怪人に犯されるくらいなら死を選ぼう。
死。
それは無でありなにもない。
そこからは何も生まれない。
早良は震える。
怖くて怖くて震える。
でも、ナイフを握りしめる。
「死ぬのですか?」
男の声が早良の耳に届く。
「だって初めては好きな人とがいいから……」
早良は涙で震える身体でいった。
「そうですか……
その死ぬ勇気で、ほんの少し私の力になってくれませんか?」
「え?」
その声が怪人の声とは別の男の声だと気づく。
「貴方は?」
早良が尋ねる。
そして男が答える。
「なんだかんだと聞かれたら。
答えてあげるが世の情け、世界の破滅をふせぐため世界の平和を守るため愛と真実の悪を貫く。
魔界の果てからこんばんは。
私、魔界ブリタニ王国営業部平社員のブリ男と申します」
男の名前はブリ男。
魔界のサラリーマンだ。
「……ブリ男だと?」
「はい。ブリ男と愉快な仲間です」
ブリ男がそういうと男子高生が怪人の前に現れる。
「なにをした?」
怪人が尋ねる。
「捕らえたからには、もう逃さん。
お前に残された選択肢は、死だけだ!」
男子高生が静かにそういった。
「俺はまだ死なない!」
怪人が足掻く。
でも、動けない。
「さぁ。懺悔の時間だ。
お前は何人殺した?」
「はははは!愚かな質問だ!」
怪人が笑う。
「今朝女を殺したばかりだ。
中々な上物だった!
男を護るため身体を差し出したんだぜ?
男の前でたっぷりと――」
怪人がそこまでいいかけたとき。
男子高生が目を閉じた。
それと同時に怪人の首が落ちる。
「懺悔タイム終了だ。
胸糞悪い」
男子高生がため息交じりにそういった。
「貴方は誰?」
「俺は近藤無だ!」
「近藤くん?」
「そうだ」
近藤がそういってうなずく。
「力になるってなに?」
早良に不安が訪れる。
「ちょいっと正義の味方になりませんか?」
ブリ男が小さく笑った。
逃げる人。
世界は残酷な日常だった。
生きるのは誰か……
戦うのは誰か……
少女にはわからない。
少女の名前は伊藤早良。
普通の漁師の娘で将来の夢は可愛いお嫁さん。
どこにでもいる女子高生だ。
でも、それは終わる。
目の前にいるのは絶望の象徴。
ハタハタの怪人。
メロディの力とは違う。
特殊な能力に特殊な力で目覚めたものたち。
テオスとは違う野望を持った魔界の住人。
「さぁ、選ぶといい」
怪人が早良にナイフを向ける。
「服を脱ぐか。
ナイフで死ぬか」
早良は絶望した。
こんな獣のような怪人に犯されるくらいなら死を選ぼう。
死。
それは無でありなにもない。
そこからは何も生まれない。
早良は震える。
怖くて怖くて震える。
でも、ナイフを握りしめる。
「死ぬのですか?」
男の声が早良の耳に届く。
「だって初めては好きな人とがいいから……」
早良は涙で震える身体でいった。
「そうですか……
その死ぬ勇気で、ほんの少し私の力になってくれませんか?」
「え?」
その声が怪人の声とは別の男の声だと気づく。
「貴方は?」
早良が尋ねる。
そして男が答える。
「なんだかんだと聞かれたら。
答えてあげるが世の情け、世界の破滅をふせぐため世界の平和を守るため愛と真実の悪を貫く。
魔界の果てからこんばんは。
私、魔界ブリタニ王国営業部平社員のブリ男と申します」
男の名前はブリ男。
魔界のサラリーマンだ。
「……ブリ男だと?」
「はい。ブリ男と愉快な仲間です」
ブリ男がそういうと男子高生が怪人の前に現れる。
「なにをした?」
怪人が尋ねる。
「捕らえたからには、もう逃さん。
お前に残された選択肢は、死だけだ!」
男子高生が静かにそういった。
「俺はまだ死なない!」
怪人が足掻く。
でも、動けない。
「さぁ。懺悔の時間だ。
お前は何人殺した?」
「はははは!愚かな質問だ!」
怪人が笑う。
「今朝女を殺したばかりだ。
中々な上物だった!
男を護るため身体を差し出したんだぜ?
男の前でたっぷりと――」
怪人がそこまでいいかけたとき。
男子高生が目を閉じた。
それと同時に怪人の首が落ちる。
「懺悔タイム終了だ。
胸糞悪い」
男子高生がため息交じりにそういった。
「貴方は誰?」
「俺は近藤無だ!」
「近藤くん?」
「そうだ」
近藤がそういってうなずく。
「力になるってなに?」
早良に不安が訪れる。
「ちょいっと正義の味方になりませんか?」
ブリ男が小さく笑った。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
続・歴史改変戦記「北のまほろば」
高木一優
SF
この物語は『歴史改変戦記「信長、中国を攻めるってよ」』の続編になります。正編のあらすじは序章で説明されますので、続編から読み始めても問題ありません。
タイム・マシンが実用化された近未来、歴史学者である私の論文が中国政府に採用され歴史改変実験「碧海作戦」が発動される。私の秘書官・戸部典子は歴女の知識を活用して戦国武将たちを支援する。歴史改変により織田信長は中国本土に攻め入り中華帝国を築き上げたのだが、日本国は帝国に飲み込まれて消滅してしまった。信長の中華帝国は殷賑を極め、世界の富を集める経済大国へと成長する。やがて西欧の勢力が帝国を襲い、私と戸部典子は真田信繁と伊達政宗を助けて西欧艦隊の攻撃を退け、ローマ教皇の領土的野心を砕く。平和が訪れたのもつかの間、十七世紀の帝国の北方では再び戦乱が巻き起ころうとしていた。歴史を思考実験するポリティカル歴史改変コメディー。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

【おんJ】 彡(゚)(゚)ファッ!?ワイが天下分け目の関ヶ原の戦いに!?
俊也
SF
これまた、かつて私がおーぷん2ちゃんねるに載せ、ご好評頂きました戦国架空戦記SSです。
この他、
「新訳 零戦戦記」
「総統戦記」もよろしくお願いします。

第一機動部隊
桑名 裕輝
歴史・時代
突如アメリカ軍陸上攻撃機によって帝都が壊滅的損害を受けた後に宣戦布告を受けた大日本帝国。
祖国のため、そして愛する者のため大日本帝国の精鋭である第一機動部隊が米国太平洋艦隊重要拠点グアムを叩く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる