ANTIHERO-アンチ・ヒーロー-Χ

はらぺこおねこ。

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08 イツワリのカガクシャ

82 ジル・デスペルト

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「無理だよ」

丹歌がいう。

「なにが無理なんだ?」

ジルが苛立ちながら言葉を放つ。

「その子はもう君の武器じゃない」

「なにを言って……」

ジルがプレゲトンの方を見る。

「そういうことね」

プレゲトンがジルの手元にはもうなかった。
代わりにジルの背後に一人の少女が立っている。

「お前……誰にモノを言っているんだ?」

ジルがその少女にいう。

「貴方こそなんのつもり?」

「お前は俺が抱いたんだ。
 つまりお前の所有者は俺だ」

「違うわ。私の所有権はもう貴方にはない。
 薬と脅迫で女を抱いても抱いたうちに入らないのよ坊や」

少女の名前はプレゲトン。
伝説の三剣のひとつ。

「クソが!お前なんかいなくても俺は!!」

ジルがそういうと刀を召喚した。

「もうやめろ」

ジャキがいう。

「やめないね」

ジルが答える。

「やめておけ」

するとその声がその場に響く。

「貴方は……デスペル・デスペルト!」

丹歌が驚くのも無理はなかった。

なぜならデスペル・ジルベルトとは傭兵ギルドダークグラムのギルド長でありジルの父でもある男。
世界に存在するヒーローの中でも指折りの実力者ともいわれている。

「ジル。今日は帰るぞ」

「親父!俺はコイツらを殺すまでこの怒りが収まらねぇ!」

「納めろ。お前はプレゲトンを失った。
 その時点で、亜金……いや丹歌には勝てない」

デスペルがそういうとジルは舌を打った。

「クソが。覚えてろよ!
 お前ら必ず俺が殺してやる!」

ジルはそう言い残すと空間を歪めその中に入った。
ワープ、それはジルの能力の一つだ。

「ジャキ、お前は本当にそれでいいのか?」

「すみません。
 俺はジルにはもうついていけません」

ジャキが謝る。

「いや、謝ることはない。
 お前はお前の信じる道を行け」

デスペルはそう言い残すとその場を去った。
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