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03 カチコチ

22 指先一つでふふふ

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「糞が!糞が!このモブが!
 なんの能力もない雑魚の分際で、能力者である俺に歯向かうんじゃねぇよ!」

 健太が、そう言って再び百道を殴ろうとしたとき。
 それを止めた男がいた。
 男の名前は、セロ。
 男は冷たい目で健太を見る。

「やめとけ。
 それ以上やったら死ぬ」

「ああん?
 お前も俺に逆らうのか!」

 健太は、腕を大きく振り回しセロの顔を睨む。

「お前もお前だ。
 なんで殴り返さない?
 能力者じゃないにしても少しは抵抗しろよ」

 セロは、健太のことを無視して百道の方を見た。

「俺は、自分より弱いやつには手を出さない」

 百道はそう言ってセロから視線を離す。

「お前!まだ言うか!」

 健太が、大きく足を動かしセロから離れる。
 そして、視線をセロの後ろでおとなしく見ているオトネの方を見る。

「なんだよ、いい女連れてるじゃないか」

 オトネは、小さく笑う。

「もう、褒めてもなにもでませんよ?」

「まぁ……
 お前いい女だから、俺の女にしてやるぞ?」

 健太がそう言うとオトネの目が冷たい表情へと変わる。

「私は、ご主人さまだけのものですますよー」

 オトネの言葉に健太が怒鳴る。

「お前ら無能能力者は、能力者に従うべきだ!
 俺はエース!高速のスクリュー健太だ!」

 健太は、そう言って脚に力を込める。

「だっさい名前」

 百道が、小さく笑う。

「ああん!?」

 健太の表情が怒りに満ちる。

「お前も刺激することを言うなって」

 セロが、そう言って百道にゆっくり近づく。

「別に……
 本当のことだろ?」

 百道が、そう言うと健太の方を見る。

「もう殺す!
 お前ら全員殺す!
 俺の経験値になれ!」

 健太が、そう言って地団駄を踏む。
 するとオトネが、健太の肩を軽く叩く。

「ちょっとお兄さん」

 オトネがニッコリ笑う。

「ああん?俺の女になる気になったか?」

「さよなら、哀れな人」

 オトネが、健太にデコピンをした。
 健太の全身に衝撃が走る。

「ああ……?」

 そして、意識を失いその場に倒れる。

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