芋洗THE係長の事件簿

07 誰がために鐘は鳴る。

誰がために鐘は鳴る。その6

　そして、列と爆はエリーにより手錠をかけられた。
「亜金くん……
　とりあえず、生きてたんだね。
　おかえり」
　王次が、そう言うと亜金は小さく首を立てに振った。
「帰ってきたのなら教えてくれたらよかったのに……」
　心が、そう言うと亜金はため息混じりに答えた。
「海に落ちた時に携帯を壊しちゃって……」
「そっか……」
　心が、そっと腕をなでおろす。
「今までどうしていたんだ？」
　和久が、亜金に尋ねる。
「修行です……
　ピノさんにオールウェポンの使い方を教わっていました」
「ピノ？」
　和久が、首を傾げた。
「ハワイのギフト養成所での俺の教官です」
「そうか……」
「私の所にギフテッドを乗せたヘリが墜落したと聞いたが……
　君は、無事だったんだね」
　エリーが、亜金にそう尋ねると亜金は首を横に振った。
「いえ、墜落しました。
　その時、烈に4人殺されました。
　俺もこの間まで烈の攻撃で意識を失い倒れていました」
「そうか……
　とりあえず、亜金くん生きてくれてよかった」
　エリーが、小さく笑った。
「でも、玉藻が……」
「そうだね。
　僕にもっと力があれば……」
　王次が悔しそうに言った。
「いえ、俺がもっと早く意識を戻していれば……」
　亜金も自分を攻める。
「過ぎたことをいつまでも自分を攻めていてもなにも始まらないぞ」
　和久が、そう言ってため息をした。
「そうですが……」
　亜金が、視線を下に向ける。
「亜金、玉藻に会いに行ってやれ」
　和久の言葉に亜金は、視線を上に上げる。
「え？」
「玉藻くんの実家だ。
　そこで線香でもあげてやれ」
　和久がそう言って小さく笑う。
「そうだな……
　玉藻くんの魂は無事に天に召されていると報告がある。
　君の無事を玉藻くんに報告だ」
　エリーがそう言うと亜金は、うなずいた。