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01 その男係長!
その男係長その7
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「え?私のこと……見えるんですか?」
深雪が、驚く。
「うん、見えるよ」
深雪の問いに王次が答える。
「私……死んじゃったんですね」
「そうね……」
心が残念そうにうなずく。
「貴方も私が見えるのですか?」
深雪が心に尋ねる。
「ええ。ってか、ウチの係はみんな見えるわ」
心がそう言うと深雪は、亜金と和久の方を見る。
「まぁ、そう言うことだ」
和久が、照れくさそうに笑う。
「川名さんすみません……こんな結果になってしまって……」
王次が、王次に謝った。
「いえ……仕方がないです」
深雪が、残念そうに言った。
「で、お前さんを殺したのはやはり橘勤か?」
和久が、深雪に尋ねると深雪は頷いた。
「はい。あの男です。他に知らない男の人ふたりにも犯されました」
「計3人?」
亜金が、深雪に尋ねる。
「はい」
「なんか手がかりはないか?その他のふたりの男の……」
和久が尋ねるが、深雪が首を横に振る。
「メガネの男と頬に十字傷のある男ってくらいしかわかりませんでした。一瞬のことでしたし目隠しされましたしわかりません」
「目隠し……?」
亜金が首を傾げる。
「なんか気になることある?」
心が亜金に尋ねると亜金が口元を拳で隠しながら答えた。
「いや……殺すことを前提に考えていたら目隠しなんてするのかなと……」
亜金がそう言うと和久が答える。
「殺意が無かったといいたいのか?」
「わかりません」
「どちらにせよ、橘勤のやったことは許せるモノじゃないわ」
「そうだけど……なんか引っかかる……」
亜金が、そう言うと和久が口元を緩める。
「刑事の勘か?」
「いや、俺刑事じゃないですよ……事務員ですし……」
亜金が、そう言うと王次がため息交じりに言葉を放つ。
「今は、冗談抜きで話をしようよ……」
「へいへい。係長は真面目なことで……」
和久が、口を尖らせて言った。
「じゃ、話を元に戻すわね。亜金ちゃんは、橘勤が目隠ししたことが気になるの?」
「うん」
「絞殺だしな。確かに殺意が無かった可能性もあるかもしれないな……
だが、複数の男で強姦して殺したんだ。殺意が無かったと言っても許される行為じゃないぞ?」
和久が、亜金の方を見る。
「いえ、俺が気にしているのはそう言うのじゃないんです」
「ん?どういうこと?」
「相手ももし幽霊が見える人で、尚且つ俺たちみたいな幽霊が見える人が捜査に協力している人がいるってことを知っている人が犯人にいたらやっかいじゃないかなって」
「なるほど……亜金、お前は中々いい刑事になれるかもしれないぞ?」
和久が、嬉しそうな顔で亜金に言った。
しかし、亜金は即答した。
「刑事には、なりません。なれません。警察学校で脱落します……」
「もったいないな……」
和久が、ため息をついた。
深雪が、驚く。
「うん、見えるよ」
深雪の問いに王次が答える。
「私……死んじゃったんですね」
「そうね……」
心が残念そうにうなずく。
「貴方も私が見えるのですか?」
深雪が心に尋ねる。
「ええ。ってか、ウチの係はみんな見えるわ」
心がそう言うと深雪は、亜金と和久の方を見る。
「まぁ、そう言うことだ」
和久が、照れくさそうに笑う。
「川名さんすみません……こんな結果になってしまって……」
王次が、王次に謝った。
「いえ……仕方がないです」
深雪が、残念そうに言った。
「で、お前さんを殺したのはやはり橘勤か?」
和久が、深雪に尋ねると深雪は頷いた。
「はい。あの男です。他に知らない男の人ふたりにも犯されました」
「計3人?」
亜金が、深雪に尋ねる。
「はい」
「なんか手がかりはないか?その他のふたりの男の……」
和久が尋ねるが、深雪が首を横に振る。
「メガネの男と頬に十字傷のある男ってくらいしかわかりませんでした。一瞬のことでしたし目隠しされましたしわかりません」
「目隠し……?」
亜金が首を傾げる。
「なんか気になることある?」
心が亜金に尋ねると亜金が口元を拳で隠しながら答えた。
「いや……殺すことを前提に考えていたら目隠しなんてするのかなと……」
亜金がそう言うと和久が答える。
「殺意が無かったといいたいのか?」
「わかりません」
「どちらにせよ、橘勤のやったことは許せるモノじゃないわ」
「そうだけど……なんか引っかかる……」
亜金が、そう言うと和久が口元を緩める。
「刑事の勘か?」
「いや、俺刑事じゃないですよ……事務員ですし……」
亜金が、そう言うと王次がため息交じりに言葉を放つ。
「今は、冗談抜きで話をしようよ……」
「へいへい。係長は真面目なことで……」
和久が、口を尖らせて言った。
「じゃ、話を元に戻すわね。亜金ちゃんは、橘勤が目隠ししたことが気になるの?」
「うん」
「絞殺だしな。確かに殺意が無かった可能性もあるかもしれないな……
だが、複数の男で強姦して殺したんだ。殺意が無かったと言っても許される行為じゃないぞ?」
和久が、亜金の方を見る。
「いえ、俺が気にしているのはそう言うのじゃないんです」
「ん?どういうこと?」
「相手ももし幽霊が見える人で、尚且つ俺たちみたいな幽霊が見える人が捜査に協力している人がいるってことを知っている人が犯人にいたらやっかいじゃないかなって」
「なるほど……亜金、お前は中々いい刑事になれるかもしれないぞ?」
和久が、嬉しそうな顔で亜金に言った。
しかし、亜金は即答した。
「刑事には、なりません。なれません。警察学校で脱落します……」
「もったいないな……」
和久が、ため息をついた。
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