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Scene01 やさしい世界
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「だったら自分でやったらいいのに……」
亜金は、小さな声でそう言いました。
「ん?なにかいったか?」
清空が拳を握りしめます。
「な、なんでもないよ。
えっと君は玉藻だっけ?
自由になっていいよ」
亜金は、玉藻の方を見てそういいました。
「自由?」
玉藻は首を傾げます。
なぜなら玉藻は、物心ついたときには奴隷でした。
誘拐されたりいろんな経緯がありましたが……
奴隷の心得くらいしかわかりません。
「ああ、そうだよ。
君は自由さ」
「捨てるのか?」
「え?」
玉藻の言葉に亜金は驚きました。
「いや、そうじゃない。
んー、そうだな玉藻、お前は亜金の助手になれ」
「助手?」
清空の言葉に玉藻は戸惑います。
「そうだね。
僕は方向音痴だからよく道に迷うんだ。
だから道標になってよ」
亜金の言葉は優しく。
そして暖かかった。
でも、それが返って玉藻には不安でした。
優しい主はすぐに死ぬ。
そう玉藻はデモニック。
呪われた子なのです。
この世には玉藻のように呪いを宿命づけられたデモニック。
そして、優れた能力を持ちまるで神さまに祝福されて存在しているようなギフデッドがいます。
玉藻は生まれると同時に呪いを受けました。
それでも家族に護られてきましたが……
デモニックを集めている組織により誘拐されその組織が壊滅したとき。
玉藻は奴隷商人に捕まり転売を繰り返され現在にいたります。
玉藻の呪いは、【愛した人に幸運が訪れる】
それ故、幸運が訪れない主から愛が足りないと怒られ続けていました。
まだ幼かった玉藻に愛はわかりません。
亜金が悪い人なのではないのは玉藻にはわかります。
でも、自分がデモニックでありこの呪いを知ったときどう変わるかはわかりません。
なので黙っていることにしました。
「わかった」
玉藻は小さくうなずきました。
「まぁ、こっちは話がついた。
で、ハヤトにアイはどうするんだ?」
清空がそういってハヤトの方を見ます。
「僕たちは強くなりたいです」
「強くなる?」
清空の問いにアイが答えます。
「はい。
強くなってファルシオンに入りお姉ちゃんを探します」
「姉……?フミか?」
「清空さんも知っているんですか?
お姉ちゃんのこと」
「ああ、確かキサラギから行方不明になったって聞いているが……」
「捜査中……?」
「はい。
ファルシオンに入りたいのなら入隊試験までは案内できるがどうする?」
「え?」
アイが驚きます。
「いや、私はこう見えてファルシオンの隊長なんだ。
そこまでの手引きはできる。
だが、ファルシオンの入隊試験までだ。
入隊までの斡旋はでいない」
「よかったですね」
亜金が他人事のように笑う。
「お前も入るんだ」
「え?僕は魔道士になりたいです。
騎士には興味ないです」
「両方目指せ、男の子だろ?
もっと欲望のままに生きろ!」
清空はそういって笑いました。
亜金は、小さな声でそう言いました。
「ん?なにかいったか?」
清空が拳を握りしめます。
「な、なんでもないよ。
えっと君は玉藻だっけ?
自由になっていいよ」
亜金は、玉藻の方を見てそういいました。
「自由?」
玉藻は首を傾げます。
なぜなら玉藻は、物心ついたときには奴隷でした。
誘拐されたりいろんな経緯がありましたが……
奴隷の心得くらいしかわかりません。
「ああ、そうだよ。
君は自由さ」
「捨てるのか?」
「え?」
玉藻の言葉に亜金は驚きました。
「いや、そうじゃない。
んー、そうだな玉藻、お前は亜金の助手になれ」
「助手?」
清空の言葉に玉藻は戸惑います。
「そうだね。
僕は方向音痴だからよく道に迷うんだ。
だから道標になってよ」
亜金の言葉は優しく。
そして暖かかった。
でも、それが返って玉藻には不安でした。
優しい主はすぐに死ぬ。
そう玉藻はデモニック。
呪われた子なのです。
この世には玉藻のように呪いを宿命づけられたデモニック。
そして、優れた能力を持ちまるで神さまに祝福されて存在しているようなギフデッドがいます。
玉藻は生まれると同時に呪いを受けました。
それでも家族に護られてきましたが……
デモニックを集めている組織により誘拐されその組織が壊滅したとき。
玉藻は奴隷商人に捕まり転売を繰り返され現在にいたります。
玉藻の呪いは、【愛した人に幸運が訪れる】
それ故、幸運が訪れない主から愛が足りないと怒られ続けていました。
まだ幼かった玉藻に愛はわかりません。
亜金が悪い人なのではないのは玉藻にはわかります。
でも、自分がデモニックでありこの呪いを知ったときどう変わるかはわかりません。
なので黙っていることにしました。
「わかった」
玉藻は小さくうなずきました。
「まぁ、こっちは話がついた。
で、ハヤトにアイはどうするんだ?」
清空がそういってハヤトの方を見ます。
「僕たちは強くなりたいです」
「強くなる?」
清空の問いにアイが答えます。
「はい。
強くなってファルシオンに入りお姉ちゃんを探します」
「姉……?フミか?」
「清空さんも知っているんですか?
お姉ちゃんのこと」
「ああ、確かキサラギから行方不明になったって聞いているが……」
「捜査中……?」
「はい。
ファルシオンに入りたいのなら入隊試験までは案内できるがどうする?」
「え?」
アイが驚きます。
「いや、私はこう見えてファルシオンの隊長なんだ。
そこまでの手引きはできる。
だが、ファルシオンの入隊試験までだ。
入隊までの斡旋はでいない」
「よかったですね」
亜金が他人事のように笑う。
「お前も入るんだ」
「え?僕は魔道士になりたいです。
騎士には興味ないです」
「両方目指せ、男の子だろ?
もっと欲望のままに生きろ!」
清空はそういって笑いました。
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