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04 奏でる音色

02

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 学校につくまであっという間だった。
 そして、教室につくと僕の机の上にきれいな花が置かれていた。
 イジメかな?
 でも、それにしては豪華で綺麗だ。

「それ、宮崎さんですよ」

「え?
 宮崎さん、そんなに僕のことを嫌っていたんだ……」

 僕は、少し落ち込む。
 少なくてもこんな嫌がらせをする人じゃないと思っていた。

「どうして落ち込んでいるんですか?」

 川名さんが、不思議そうに首を傾げている。

「だって、机の上に花って……
 まるで僕が死んだみたいじゃないか」

「花をよく見てください」

 川名さんの言うとおりに僕は花を見る。
 ピンクの綺麗な花瓶に花が数輪。

「花だね……」

「この花、ムクゲですよ」

「ムクゲ?」

「そうです。
 朝咲いたら夕方にしぼんでしまうのですが、次の日にはまた新しい花が咲きます。
 夏の炎天下の中でも花を咲かせ冬の寒さにもめげない花木です。
 きっと宮崎さんは、斎藤くんに早く治って欲しくて毎日ムクゲを飾ってくれたんだと思いますよ」

「そうなの?」

 僕は、教室の隅っこでそっぽを向いている宮崎さんに訪ねてみた。

「知らないわよ」

 宮崎さんは、何故か拗ねている。

「どうして怒っているのかな?」

 僕は、川名さんに尋ねた。

「愛情表現を嫌がらせと受け取られるとちょっとショックを受けるんじゃないでしょうか?」

「そんなもんかぁー」

「斎藤くん。
 女心を勉強しましょうね」

 川名さんが、そう言ってクスリと笑った。
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