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03 歌われること
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「あらら?
もしかして、もしかしちゃう?」
葉月先輩が、口元に手を当てて顔を赤らめる。
「もしかしません」
「……本当に?」
葉月先輩の言葉に川名さんが答え葉月先輩が尋ねる。
「本当ですよ。
私なんかに恋人なんか出来ませんよ」
川名さんの表情が悲しげだ。
「……川名さん可愛いし優しいからモテると思うよ?」
僕は、精一杯の励ましの言葉を投げてみた。
「お?一くんが口説いている」
葉月先輩が茶化す。
「じゃ、斎藤くんに貰ってもらいましょう」
川名さんがワルノリする。
「……え?」
ワルノリだとわかっているのに頭が真っ白になる。
「貴方って案外かわいい所あるのね」
宮崎さんが、小さくため息をする。
「ん?」
「こんなことでうろたえてる。
そういうところ可愛いと思うわ」
宮崎さんがそういうと美姫が笑う。
「あ!宮崎さんが一のいいところをひとつ発見!
一の照れ屋なところ可愛いよね!」
「そ、そうね」
宮崎さんが苦笑いを浮かべた。
「貴方たち、そろそろ面会時間終了よ」
看護師さんが、そう言って顔をひょっこりと出す。
「あ、はーい」
美姫が返事をしてみんなが帰った。
ひとりぼっちになった個室は寂しかった。
もしかして、もしかしちゃう?」
葉月先輩が、口元に手を当てて顔を赤らめる。
「もしかしません」
「……本当に?」
葉月先輩の言葉に川名さんが答え葉月先輩が尋ねる。
「本当ですよ。
私なんかに恋人なんか出来ませんよ」
川名さんの表情が悲しげだ。
「……川名さん可愛いし優しいからモテると思うよ?」
僕は、精一杯の励ましの言葉を投げてみた。
「お?一くんが口説いている」
葉月先輩が茶化す。
「じゃ、斎藤くんに貰ってもらいましょう」
川名さんがワルノリする。
「……え?」
ワルノリだとわかっているのに頭が真っ白になる。
「貴方って案外かわいい所あるのね」
宮崎さんが、小さくため息をする。
「ん?」
「こんなことでうろたえてる。
そういうところ可愛いと思うわ」
宮崎さんがそういうと美姫が笑う。
「あ!宮崎さんが一のいいところをひとつ発見!
一の照れ屋なところ可愛いよね!」
「そ、そうね」
宮崎さんが苦笑いを浮かべた。
「貴方たち、そろそろ面会時間終了よ」
看護師さんが、そう言って顔をひょっこりと出す。
「あ、はーい」
美姫が返事をしてみんなが帰った。
ひとりぼっちになった個室は寂しかった。
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