23 / 71
03 歌われること
01
しおりを挟む
僕が目を覚ましたとき。
そこには見知らぬ天井があった。
いや、知っている……
病院の天井だ。
「斎藤さん、気づきましたか?」
川名さんがいる。
手が温かい。
視線をゆっくりと自分の手に向けると川名さんが僕の手を握りしめている。
「川名さんの手、暖かいね」
「はい、冬はモテモテなんですよ?」
「そっか……」
僕は小さくうなずく。
「一!」
美姫が、血相を変えて病室の中に入ってくる。
「あ、美姫。
どうしたの?」
「『どうしたの?』じゃない!
頭に包帯巻いて!川名さんの話じゃ一、血まみれだったらしいじゃない!」
美姫のその言葉を聞いて僕は驚く。
血まみれ?バッドで殴られたんだっけ……
そりゃ血も出るよね……
そう考えると頭がいたい。
「言われてみれば頭がいたいな……
ところで護は?」
僕の問いに川名さんが答える。
「警察です」
「そんな!護は僕を守ろうとしただけで何も悪くないよ!」
「事情聴取ですよ」
「うん。
さっき話が終って、今からこっちに向かうって言ってたよ」
美姫も答える。
「僕を殴った人たちは?」
「逃げちゃいました……」
「……そっか」
逃げたか……
そりゃ逃げるよね。
とりあえず護と川名さんが無事でよかった。
そこには見知らぬ天井があった。
いや、知っている……
病院の天井だ。
「斎藤さん、気づきましたか?」
川名さんがいる。
手が温かい。
視線をゆっくりと自分の手に向けると川名さんが僕の手を握りしめている。
「川名さんの手、暖かいね」
「はい、冬はモテモテなんですよ?」
「そっか……」
僕は小さくうなずく。
「一!」
美姫が、血相を変えて病室の中に入ってくる。
「あ、美姫。
どうしたの?」
「『どうしたの?』じゃない!
頭に包帯巻いて!川名さんの話じゃ一、血まみれだったらしいじゃない!」
美姫のその言葉を聞いて僕は驚く。
血まみれ?バッドで殴られたんだっけ……
そりゃ血も出るよね……
そう考えると頭がいたい。
「言われてみれば頭がいたいな……
ところで護は?」
僕の問いに川名さんが答える。
「警察です」
「そんな!護は僕を守ろうとしただけで何も悪くないよ!」
「事情聴取ですよ」
「うん。
さっき話が終って、今からこっちに向かうって言ってたよ」
美姫も答える。
「僕を殴った人たちは?」
「逃げちゃいました……」
「……そっか」
逃げたか……
そりゃ逃げるよね。
とりあえず護と川名さんが無事でよかった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」
【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。
忌むべき番
藍田ひびき
恋愛
「メルヴィ・ハハリ。お前との婚姻は無効とし、国外追放に処す。その忌まわしい姿を、二度と俺に見せるな」
メルヴィはザブァヒワ皇国の皇太子ヴァルラムの番だと告げられ、強引に彼の後宮へ入れられた。しかしヴァルラムは他の妃のもとへ通うばかり。さらに、真の番が見つかったからとメルヴィへ追放を言い渡す。
彼は知らなかった。それこそがメルヴィの望みだということを――。
※ 8/4 誤字修正しました。
※ なろうにも投稿しています。
私が死ねば楽になれるのでしょう?~愛妻家の後悔~
希猫 ゆうみ
恋愛
伯爵令嬢オリヴィアは伯爵令息ダーフィトと婚約中。
しかし結婚準備中オリヴィアは熱病に罹り冷酷にも婚約破棄されてしまう。
それを知った幼馴染の伯爵令息リカードがオリヴィアへの愛を伝えるが…
【 ⚠ 】
・前半は夫婦の闘病記です。合わない方は自衛のほどお願いいたします。
・架空の猛毒です。作中の症状は抗生物質の発明以前に猛威を奮った複数の症例を参考にしています。尚、R15はこの為です。
貴方が選んだのは全てを捧げて貴方を愛した私ではありませんでした
ましゅぺちーの
恋愛
王国の名門公爵家の出身であるエレンは幼い頃から婚約者候補である第一王子殿下に全てを捧げて生きてきた。
彼を数々の悪意から守り、彼の敵を排除した。それも全ては愛する彼のため。
しかし、王太子となった彼が最終的には選んだのはエレンではない平民の女だった。
悲しみに暮れたエレンだったが、家族や幼馴染の公爵令息に支えられて元気を取り戻していく。
その一方エレンを捨てた王太子は着々と破滅への道を進んでいた・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる