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01 ジンクス

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 なので、僕はいつもの苦笑い。
 でも、一応自己紹介はする。

「えっと僕の名前は、斎藤一」

 すると川名さんの表情が、一瞬変わる。

「斎藤……一……?」

 知っている人は、すぐに反応する。
 僕はこの名前が苦手だ。
 だって、僕はその人の名前に相応しくない名前だからだ……

「うん。
 新選組の斎藤一から爺ちゃんが名前を取ったらしいんだ」

「……そう」

 川名さんの表情が暗くなる。
 僕は、なにか不味いことを言ったのだろうか?
 そう思うとさらに僕は自信を失う。
 すると元気な声が僕の耳の中に入ってくる。

「はーじーめー!
 川名さんと仲良くやってる?」

 美姫だ。
 ポニーテールの似合う女の子。
 誰にでも優しくそして強く、そして可愛い女の子。
 ちなみに僕とは幼なじみ。

「仲良くはないかな……」

 僕がそう答えると美姫の彼氏、護がニッコリとさわやかに言葉を放つ。

「お前は、もっと女の子の免疫をつけたほうがいいぞ」

「……別にいいよつけなくて」

 そう、好きな人が変われば今の美姫に不幸が訪れる。
 僕にしてみればそれが、何よりも怖く恐ろしかった。
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