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01 無傷こそ最強の証
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銃弾飛び交う街中。
ひとりの村人が震えながら怯えていた。
名前を、ポックリ・ゲタ。
踏み台にされるモブ一族の末裔だ。
モブなのでHPが1しかない。
しかも、殺したからと言われて経験値が貰えるわけでもない。
ゲタ一族を倒しても得られる経験値は、数値で表すと1にも満たない。
この世の中においてヒットポイントなんて存在しない。
銃弾が額に当たれば誰だって死ぬし。
剣で急所を斬られれば皆死ぬ。
死なない存在はたまにいる。
【主人公】と呼ばれる存在だ。
レベルというものが存在するのはこの主人公と呼ばれる存在のみ。
彼らは祝福された存在。
つまり、なかなか死なない。
主人公は、正義とは限らない。
悪に染まった主人公もいる。
そんな世界において魔王みたいな存在もいる。
そんな世界において神みたいな存在もいる。
彼らは人ではない。
故にレベルが存在する。
そしてとっても強い。
数々の主人公たちが魔王や神を倒そうと戦いを挑んだが。
その殆どが命を落とした。
ある国の王は考えた。
彼らを倒す主人公が現れるまで時間を稼ごうと。
消耗戦に持ち込もうとしたのだ。
ポックリもまた消耗される存在のひとり。
ゲタ一族全員が消耗品のように使われる。
魔王や神たちはこの消耗作戦には苦戦する。
数が多いため、鬱陶しかった。
なので魔王たちはふと思った。
ゲタ一族を滅ぼそうと。
HPが1しかない。
でも、経験値も1に満たない。
国からしてみればレベル上げの可能性が低い彼らは消えてもいい存在。
ゲタ一族は国からも見放され魔王たちからは忌み嫌われ。
ただ消すのみの存在。
ポックリは物置に隠れ。
頭を押さえ身体をガクガク震わせ。
魔物たちが飽きて去るのを祈った。
「嫌だ!死にたくない!」
幼馴染の断末魔。
「なんで、こんな――」
消え行く父の命。
「もう嫌!殺して!」
苦痛を浴びせられ苦しむ姉の声。
次は自分、次は自分なんだとポックリは震える。
ただ涙を流すことしかできない
ポックリは、そんな自分に絶望した。
ひとりの村人が震えながら怯えていた。
名前を、ポックリ・ゲタ。
踏み台にされるモブ一族の末裔だ。
モブなのでHPが1しかない。
しかも、殺したからと言われて経験値が貰えるわけでもない。
ゲタ一族を倒しても得られる経験値は、数値で表すと1にも満たない。
この世の中においてヒットポイントなんて存在しない。
銃弾が額に当たれば誰だって死ぬし。
剣で急所を斬られれば皆死ぬ。
死なない存在はたまにいる。
【主人公】と呼ばれる存在だ。
レベルというものが存在するのはこの主人公と呼ばれる存在のみ。
彼らは祝福された存在。
つまり、なかなか死なない。
主人公は、正義とは限らない。
悪に染まった主人公もいる。
そんな世界において魔王みたいな存在もいる。
そんな世界において神みたいな存在もいる。
彼らは人ではない。
故にレベルが存在する。
そしてとっても強い。
数々の主人公たちが魔王や神を倒そうと戦いを挑んだが。
その殆どが命を落とした。
ある国の王は考えた。
彼らを倒す主人公が現れるまで時間を稼ごうと。
消耗戦に持ち込もうとしたのだ。
ポックリもまた消耗される存在のひとり。
ゲタ一族全員が消耗品のように使われる。
魔王や神たちはこの消耗作戦には苦戦する。
数が多いため、鬱陶しかった。
なので魔王たちはふと思った。
ゲタ一族を滅ぼそうと。
HPが1しかない。
でも、経験値も1に満たない。
国からしてみればレベル上げの可能性が低い彼らは消えてもいい存在。
ゲタ一族は国からも見放され魔王たちからは忌み嫌われ。
ただ消すのみの存在。
ポックリは物置に隠れ。
頭を押さえ身体をガクガク震わせ。
魔物たちが飽きて去るのを祈った。
「嫌だ!死にたくない!」
幼馴染の断末魔。
「なんで、こんな――」
消え行く父の命。
「もう嫌!殺して!」
苦痛を浴びせられ苦しむ姉の声。
次は自分、次は自分なんだとポックリは震える。
ただ涙を流すことしかできない
ポックリは、そんな自分に絶望した。
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