4 / 4
4日目 女の嫉妬
しおりを挟むその頃のトルストイ家ーー
パーティーも終わり、夜はウィリアム王子と幸せな時間を過ごしていた。
「これからは、共に幸せに暮らしていけるな。愛している。」
ウィリアム王子の甘い言葉に
クリスティーヌは微笑む。
「私を選んで頂きとても嬉しいです。
愛しております。ウィリアム様」
そう言うと、ウィリアム王子に抱きついた。口元のにやけが止まらない。
バカ王子もよく役に立った。
愛してるわけもない。
顔はまあまあイケメンだが、大した教育も受けていないのだろうか。とてもじゃないが頭は良くないし、チョロい男だった。
愛よりも大金持ち夫人になることが私の夢だったのだ。
これからは、私を贅沢で優雅に暮らせるくらいには幸せにしてください。
と言葉にはせずに心で思う。
ふふふっと笑いが溢れる。
ああ私はなんて頭がいいのでしょう。
憎たらしいアリエッタをこの国から追い出すことに成功した。
ウィリアム王子を虜にし、次期王妃の座
を奪い、これで完璧に裕福な生活が出来る。
アリエッターーー
とても美しく聡明な彼女は、人気がありそんな彼女がクリスティーヌは気に食わなかった。
今までだって、私より目立つ女は許せなかった。私よりも幸せになるのは絶対に許せない。
辺境伯であるアリエッタが、
この国の王子と婚約が決まった時から苛立ちでいっぱいであった。
私よりも賢く、私よりも美しい?
そんなはずがない。
辺境伯だなんて、きっと私よりも貧しい暮らしをしていたに違いない。
田舎臭いアリエッタが王妃になるなんて、100年早いわ。
結局王子は私のところに来てくれた。
パーティーの時のアリエッタの表情を思い出すだけでも笑いが止まらない。
...だが、隣国のロイド王太子がパーティーに参加していてアリエッタと婚約を結ぶと言っていたことだけが気になる。
なぜ隣国のロイド様がわざわざパーティーに参加して、アリエッタを迎えたのか。
ウィリアム様も、あの後複雑な顔をしていたのにも腹が立つ。
私が1番でないとダメだわ。
隣国の王太子も少し
引っ掛けて見ようかしら。
0
お気に入りに追加
31
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
貴方が選んだのは全てを捧げて貴方を愛した私ではありませんでした
ましゅぺちーの
恋愛
王国の名門公爵家の出身であるエレンは幼い頃から婚約者候補である第一王子殿下に全てを捧げて生きてきた。
彼を数々の悪意から守り、彼の敵を排除した。それも全ては愛する彼のため。
しかし、王太子となった彼が最終的には選んだのはエレンではない平民の女だった。
悲しみに暮れたエレンだったが、家族や幼馴染の公爵令息に支えられて元気を取り戻していく。
その一方エレンを捨てた王太子は着々と破滅への道を進んでいた・・・
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
婚約者とその幼なじみの距離感の近さに慣れてしまっていましたが、婚約解消することになって本当に良かったです
珠宮さくら
恋愛
アナスターシャは婚約者とその幼なじみの距離感に何か言う気も失せてしまっていた。そんな二人によってアナスターシャの婚約が解消されることになったのだが……。
※全4話。
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
心の声が聞こえる私は、婚約者から嫌われていることを知っている。
木山楽斗
恋愛
人の心の声が聞こえるカルミアは、婚約者が自分のことを嫌っていることを知っていた。
そんな婚約者といつまでも一緒にいるつもりはない。そう思っていたカルミアは、彼といつか婚約破棄すると決めていた。
ある時、カルミアは婚約者が浮気していることを心の声によって知った。
そこで、カルミアは、友人のロウィードに協力してもらい、浮気の証拠を集めて、婚約者に突きつけたのである。
こうして、カルミアは婚約破棄して、自分を嫌っている婚約者から解放されるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる