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一章 ルーファン・ルー
6 魔除け
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その出会いは、まさに地獄に仏だった。
後日、ガッツリ尻に食い込むようなTバックのパンツ(魔除け)が届けられたのには、思わずドン引きしてしまったが……
最初はこんな面積の小さい布で抑えられるわけがないと半信半疑だったが、つけてみると意外や意外。その効果は絶大だった。
あれほど俺を悩ませていた性欲が、なんと長くて三日に一度の処理でも抑えられるほど穏やかになったのだ。
すごかったのは精通以来悩まされていた尻から漏れる謎の体液がピタッと止まった事だ。
先生の診断であらゆることが淫紋に由来していることが分かり、もしかしたらこのカウパー腺液と思っていたものも?と疑い始めていたが、まさか的中とは。
玉を尻に突っ込んで抑え込んでいた時期には、それでもわずかに漏れることがあったんだ。
だからオムツが手放せなかったんだけど、この魔除けをつけ始めてから、うっかり漏れることがまったくなくなっていた。
オムツ無しで出歩けることが、こんなに素晴らしいと感じたことはない。
これが素人の知恵と専門家の知識の差と言う奴なのか。
俺は見た目とは裏腹に素晴らしい効果を発揮する魔封じに舌を巻き、感謝に涙した。
難点を上げるとしたら、下着なので取り換え用に数枚用意されているクローゼットの中を含め誰にも言えない秘密が増えたことと、鉱石に比べて布は魔除けの力の劣化が早いらしく、一ヶ月くらいで破棄して新しいものにしないといけないという事だった。
期間については長ければ三カ月ほど持つらしいが、安全を考慮して早めに取り換えるようにしたほうがいいということで、俺としても日常でそんなチキンレースをしたくはない。
しかしそれでは魔除けを用意する先生の負担が大きくなるのではと言ったが、そうすると呪印の解析に来る頻度を増やしてくれとギラギラとした目で返されるので、あまり突っ込まないようにした。
なんでも、あの先生は学校では有名な呪術マニアだったらしい。
俺に良くしてくれるのも変な下心とかは皆無で、本当に俺のこの淫紋を研究したい一心からだとか。
いや、それはそれでどうなんだろうと複雑な気持ちになったが……
先生のおかげで俺は日々を普通と同じように過ごせるようになり、理由がどうあれ先生が恩人であることには変わりない。
そう開き直れば、やはり、先生には感謝の念しか湧かなかった。
そして、俺はついに他の誰にもバレることなく、無事に卒業する事ができたのだった。
そして、現在。
俺は呪印の解析の都合もあって故郷には帰らずこの街に住み着き、魔法薬学を専攻していた俺は魔法薬の調合師、つまり、錬金術師として、街角に店を構えるところだった。
後日、ガッツリ尻に食い込むようなTバックのパンツ(魔除け)が届けられたのには、思わずドン引きしてしまったが……
最初はこんな面積の小さい布で抑えられるわけがないと半信半疑だったが、つけてみると意外や意外。その効果は絶大だった。
あれほど俺を悩ませていた性欲が、なんと長くて三日に一度の処理でも抑えられるほど穏やかになったのだ。
すごかったのは精通以来悩まされていた尻から漏れる謎の体液がピタッと止まった事だ。
先生の診断であらゆることが淫紋に由来していることが分かり、もしかしたらこのカウパー腺液と思っていたものも?と疑い始めていたが、まさか的中とは。
玉を尻に突っ込んで抑え込んでいた時期には、それでもわずかに漏れることがあったんだ。
だからオムツが手放せなかったんだけど、この魔除けをつけ始めてから、うっかり漏れることがまったくなくなっていた。
オムツ無しで出歩けることが、こんなに素晴らしいと感じたことはない。
これが素人の知恵と専門家の知識の差と言う奴なのか。
俺は見た目とは裏腹に素晴らしい効果を発揮する魔封じに舌を巻き、感謝に涙した。
難点を上げるとしたら、下着なので取り換え用に数枚用意されているクローゼットの中を含め誰にも言えない秘密が増えたことと、鉱石に比べて布は魔除けの力の劣化が早いらしく、一ヶ月くらいで破棄して新しいものにしないといけないという事だった。
期間については長ければ三カ月ほど持つらしいが、安全を考慮して早めに取り換えるようにしたほうがいいということで、俺としても日常でそんなチキンレースをしたくはない。
しかしそれでは魔除けを用意する先生の負担が大きくなるのではと言ったが、そうすると呪印の解析に来る頻度を増やしてくれとギラギラとした目で返されるので、あまり突っ込まないようにした。
なんでも、あの先生は学校では有名な呪術マニアだったらしい。
俺に良くしてくれるのも変な下心とかは皆無で、本当に俺のこの淫紋を研究したい一心からだとか。
いや、それはそれでどうなんだろうと複雑な気持ちになったが……
先生のおかげで俺は日々を普通と同じように過ごせるようになり、理由がどうあれ先生が恩人であることには変わりない。
そう開き直れば、やはり、先生には感謝の念しか湧かなかった。
そして、俺はついに他の誰にもバレることなく、無事に卒業する事ができたのだった。
そして、現在。
俺は呪印の解析の都合もあって故郷には帰らずこの街に住み着き、魔法薬学を専攻していた俺は魔法薬の調合師、つまり、錬金術師として、街角に店を構えるところだった。
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