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強い人と戦うのはワクワクする
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「ルルさん!」
「私はユウト様が勝つ方に賭けます」
まさかのルルさんの言葉に俺は思わず驚きの声を上げてしまう。
「ククク⋯⋯今まで生きていて1番笑える冗談だな!」
「Fランクのユウトがエライソ様に勝つ?」
「世界がひっくり返ってもありえないことだ」
エライソやスリエ、トンゴは嘲笑しながら蔑んだ目で俺を見てくる。
エライソが負けるなんて三人とも微塵も思っていないだろうからな。何故なら俺は1年の頃からエライソとは何度も決闘をしているからだ。
成績は0勝23敗。
俺は今までに1度もエライソに勝ったことはない。そのことも踏まえてエライソは自分の勝利を確信しているのだろう。
「ちょうど明日実技の授業があるだろ? そこで決闘をすることでいいな?」
「かまいません」
「えっ! ちょっと待って」
「明日に備えて無駄な努力でもするんだな」
そしてエライソ達は俺の話を聞かずこの場から立ち去ってしまう。
いやいや、人の話を聞いてくれよ。だがエライソに取ってはこの条件での決闘は俺をボコボコにできるしルルさんを手に入れられるし願ったり叶ったりだから聞く必要はないか。
それよりも今は⋯⋯。
「ルルさん、何であんな約束を⋯⋯」
「ユウト様は姉さんに勝った実力者ですから。あの方に勝利すると信じています」
「でも自分を賭けるなんて」
「勝手なことをしてしまい申し訳ありません」
俺の言葉を聞いてルルさんはシュンとなって俯いてしまう。
しかしルルさんの行動は褒められたものではないけどこれからずっとエライソに言い寄られる学園生活なんて味わいたくないだろう。
それにエライソの態度にはいい加減俺も腹が立っていたからちょうどいい機会かもしれない。
「今後自分を賭けるなんてことはやったらダメだぞ」
「はい⋯⋯」
「それなら今回はエライソを倒してこれ以上ルルさんにつきまとわないようにしてみせるよ」
「ありがとございます!」
先程まで泣きそうな顔をしていたルルさんが一瞬で笑顔になった。もしかして嵌められたのか?
いや、例えそうだとしても俺はエライソを倒し、ここからスルンさんを越えるスレイヤーになるんだ。
こうして俺は明日の実技授業でエライソと決闘することになり、その勝敗によってルルさんの運命が決まるのであった。
「そうだ。ルルさんはこの後時間あるかな?」
「夕食の準備がありますけど少しなら大丈夫です」
「それならちょっと付き合ってもらってもいい?」
俺はルルさんを連れて校舎裏まで向かいそして使っていない木刀を渡す。
「1度手合わせしてもらってもいいかな?」
先程エライソ達から逃れるために見せた動きはただ者じゃなかった。1人のスレイヤーとして是非剣を合わせてみたい。
「私でよろしければ。実は私もユウトさんと手合わせをしたいと思っていました」
どうやらルルさんも俺と同じ気持ちのようだ。
そしてルルさんは剣を中段で構えるがその所作が美しく、全く隙が見当たらない。
やはりルルさんは日頃から剣の鍛錬をしているのだろう。
俺とルルさんは互いに目で合図をして試合を開始する。
俺はルルさんがどれ程の腕を持つか楽しみでまずは上段からルルさんの左肩を目掛けて剣を振り下ろす。
今まで幾度となく決闘をしてきたが俺の攻撃をかわせた者はスルンさんとララさんだけだ。
さて、ルルさんはどんな行動を見せてくれるのか。
俺の木刀がルルさんに当たる瞬間、ルルさんは自分の木刀で防いだ。
やるな。
だが相手は女性、力は俺の方が上だ。
俺はそのまま力技でルルさんさんの木刀ごと押し込もうとするが、この時予想外のことが起きる。
気を抜いた訳ではないが突然俺の木刀がルルさんの木刀に絡め取られ、木刀が上空に舞いそうになって思わず手を離しそうになる。
そしてルルさんの攻撃はまだ終わらない。俺は木刀を離さずにいたため腹部ががら空きになってしまい、ルルさんがその隙を逃さず木刀をなぎ払ってきた。
「くっ!」
俺は木刀で防ぐのは不可能だと考え、後方へバックステップでかわすことを選択した。
すると服を掠めたが何とかルルさんの木刀を避けることができた。
「初めて葉桜崩しを破られました。並の相手なら木刀を手放すはずですがさすがユウトさんです」
「危うく木刀を飛ばされる所だったよ」
ルルさんは間違いなく剣の達人だ。おそらく俺と同じ様にランクが低いため剣の技術や身体能力の鍛錬を欠かさず行っていたのだろう。
油断をしたつもりはないけどここからは本気を出す。
俺は右に左にと先程の力技とは違い手数で攻める。
「は、速い」
ルルさんは顔をしかめながらも俺の攻撃を木刀で防いでいる。
ルルさんの腕は想像以上だな。このままだとルルさんの守りを崩すのは難しそうだ。
それなら1つ試して見るか。
俺は木刀による攻撃をやめ1度下がる。
「今度は私の番です」
ルルさんは俺が下がったことを好機と捉えたのか攻撃を仕掛けてくる。
女子なのでおそらく力技タイプではないはず。
俺の予想通りルルさんは高速の剣技を繰り出してきてこちらは防御一辺倒になってしまう。
速い! そして一撃一撃が重い。女子だからと舐めていたら木刀が簡単に吹っ飛ばされることになるぞ。
俺はルルさんの木刀を何とか凌ぎながらある攻撃が来るのを待つ。
「これで!」
俺の防御にしびれを切らしたのかルルさんは上段から頭を目掛けて木刀を振り下ろす。
ここだ!
俺は待っていた攻撃が来たのでルルさんの木刀を自分の木刀で絡めとり、そして上空へと巻き上げる。
ルルさんの木刀を宙に舞い上げることに成功したことで俺は自分の手に持った木刀をルルさんの頭部に寸止めで打ち込み、そして手合わせは終了するのであった。
「私はユウト様が勝つ方に賭けます」
まさかのルルさんの言葉に俺は思わず驚きの声を上げてしまう。
「ククク⋯⋯今まで生きていて1番笑える冗談だな!」
「Fランクのユウトがエライソ様に勝つ?」
「世界がひっくり返ってもありえないことだ」
エライソやスリエ、トンゴは嘲笑しながら蔑んだ目で俺を見てくる。
エライソが負けるなんて三人とも微塵も思っていないだろうからな。何故なら俺は1年の頃からエライソとは何度も決闘をしているからだ。
成績は0勝23敗。
俺は今までに1度もエライソに勝ったことはない。そのことも踏まえてエライソは自分の勝利を確信しているのだろう。
「ちょうど明日実技の授業があるだろ? そこで決闘をすることでいいな?」
「かまいません」
「えっ! ちょっと待って」
「明日に備えて無駄な努力でもするんだな」
そしてエライソ達は俺の話を聞かずこの場から立ち去ってしまう。
いやいや、人の話を聞いてくれよ。だがエライソに取ってはこの条件での決闘は俺をボコボコにできるしルルさんを手に入れられるし願ったり叶ったりだから聞く必要はないか。
それよりも今は⋯⋯。
「ルルさん、何であんな約束を⋯⋯」
「ユウト様は姉さんに勝った実力者ですから。あの方に勝利すると信じています」
「でも自分を賭けるなんて」
「勝手なことをしてしまい申し訳ありません」
俺の言葉を聞いてルルさんはシュンとなって俯いてしまう。
しかしルルさんの行動は褒められたものではないけどこれからずっとエライソに言い寄られる学園生活なんて味わいたくないだろう。
それにエライソの態度にはいい加減俺も腹が立っていたからちょうどいい機会かもしれない。
「今後自分を賭けるなんてことはやったらダメだぞ」
「はい⋯⋯」
「それなら今回はエライソを倒してこれ以上ルルさんにつきまとわないようにしてみせるよ」
「ありがとございます!」
先程まで泣きそうな顔をしていたルルさんが一瞬で笑顔になった。もしかして嵌められたのか?
いや、例えそうだとしても俺はエライソを倒し、ここからスルンさんを越えるスレイヤーになるんだ。
こうして俺は明日の実技授業でエライソと決闘することになり、その勝敗によってルルさんの運命が決まるのであった。
「そうだ。ルルさんはこの後時間あるかな?」
「夕食の準備がありますけど少しなら大丈夫です」
「それならちょっと付き合ってもらってもいい?」
俺はルルさんを連れて校舎裏まで向かいそして使っていない木刀を渡す。
「1度手合わせしてもらってもいいかな?」
先程エライソ達から逃れるために見せた動きはただ者じゃなかった。1人のスレイヤーとして是非剣を合わせてみたい。
「私でよろしければ。実は私もユウトさんと手合わせをしたいと思っていました」
どうやらルルさんも俺と同じ気持ちのようだ。
そしてルルさんは剣を中段で構えるがその所作が美しく、全く隙が見当たらない。
やはりルルさんは日頃から剣の鍛錬をしているのだろう。
俺とルルさんは互いに目で合図をして試合を開始する。
俺はルルさんがどれ程の腕を持つか楽しみでまずは上段からルルさんの左肩を目掛けて剣を振り下ろす。
今まで幾度となく決闘をしてきたが俺の攻撃をかわせた者はスルンさんとララさんだけだ。
さて、ルルさんはどんな行動を見せてくれるのか。
俺の木刀がルルさんに当たる瞬間、ルルさんは自分の木刀で防いだ。
やるな。
だが相手は女性、力は俺の方が上だ。
俺はそのまま力技でルルさんさんの木刀ごと押し込もうとするが、この時予想外のことが起きる。
気を抜いた訳ではないが突然俺の木刀がルルさんの木刀に絡め取られ、木刀が上空に舞いそうになって思わず手を離しそうになる。
そしてルルさんの攻撃はまだ終わらない。俺は木刀を離さずにいたため腹部ががら空きになってしまい、ルルさんがその隙を逃さず木刀をなぎ払ってきた。
「くっ!」
俺は木刀で防ぐのは不可能だと考え、後方へバックステップでかわすことを選択した。
すると服を掠めたが何とかルルさんの木刀を避けることができた。
「初めて葉桜崩しを破られました。並の相手なら木刀を手放すはずですがさすがユウトさんです」
「危うく木刀を飛ばされる所だったよ」
ルルさんは間違いなく剣の達人だ。おそらく俺と同じ様にランクが低いため剣の技術や身体能力の鍛錬を欠かさず行っていたのだろう。
油断をしたつもりはないけどここからは本気を出す。
俺は右に左にと先程の力技とは違い手数で攻める。
「は、速い」
ルルさんは顔をしかめながらも俺の攻撃を木刀で防いでいる。
ルルさんの腕は想像以上だな。このままだとルルさんの守りを崩すのは難しそうだ。
それなら1つ試して見るか。
俺は木刀による攻撃をやめ1度下がる。
「今度は私の番です」
ルルさんは俺が下がったことを好機と捉えたのか攻撃を仕掛けてくる。
女子なのでおそらく力技タイプではないはず。
俺の予想通りルルさんは高速の剣技を繰り出してきてこちらは防御一辺倒になってしまう。
速い! そして一撃一撃が重い。女子だからと舐めていたら木刀が簡単に吹っ飛ばされることになるぞ。
俺はルルさんの木刀を何とか凌ぎながらある攻撃が来るのを待つ。
「これで!」
俺の防御にしびれを切らしたのかルルさんは上段から頭を目掛けて木刀を振り下ろす。
ここだ!
俺は待っていた攻撃が来たのでルルさんの木刀を自分の木刀で絡めとり、そして上空へと巻き上げる。
ルルさんの木刀を宙に舞い上げることに成功したことで俺は自分の手に持った木刀をルルさんの頭部に寸止めで打ち込み、そして手合わせは終了するのであった。
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