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最強の助っ人?
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「うぅ⋯⋯」
俺は相手の魔法を食らってしまい、地面に這いつくばっていた。
風の盾である程度威力を防げたからいいものの、まともに食らっていたら確実に死んでいた。
しかし身体は満身創痍だけど、まだ意識はあるしMPも殆ど残っている。
このまま何もせずに死んでたまるか!
「ク、クラス5完全回復⋯⋯ジェ、創聖魔法」
回復魔法を唱えると身体が光に包まれ、受けた傷が消えていく。
そして俺は立ち上がり、カゼナギの剣を手に構える。
「おいおい、死に損ないだったのに復活したぞ」
「情報ではどんな傷も治す魔法と、魔物の集団を一撃で沈める魔法、規格外の身体強化魔法が使えると聞いています」
「確か補助魔法使いだろ? 補助魔法にそこまで強力な魔法があるのか?」
「いえ、私の知る限りではありませんね。おそらく魔法の言葉を口にする際、語尾にジェネシスとつけていることが関係しているのでしょう」
バレてるな。
しかも二人は俺のことを調べてこの場に立っている。
相手のことを何も知らない俺とは大違いだ。
二対一ということも踏まえ、戦う前からこちらがかなり不利な状況だということは間違いない。
悔しいがここは一度退いて、万全の体制で迎え撃った方がいい。
「俺はまどろっこしいことは嫌いでね。おい! その魔法はなんだ。教えろ」
「教えろと言われて教える人はいませんよ。むしろあなた方の正体を教えてもらえませんか」
「それで教えるバカはいねえだろ」
「それならそういうことです」
これ以上こっちの情報を与えてたまるか。
「言われてしまいましたね」
「口の減らないガキだ。俺は口だけの奴は認めないぜ」
「私もです。そのような者に私の⋯⋯」
私の? 何だ?
もしかしてそれが俺を襲う理由なのか?
それがわかれば相手の正体がわかるかもしれない。
だが今はそのようなことを考えるより、この場を離脱することが先決だ。
まずはカゼナギの剣で風を起こし、その後でクラス4闇霧創聖魔法で視界を遮り、街へと逃げる。
戦いで勝ち目はないけど、逃げるだけなら何とかなるはずだ。
「この世に未練はもうねえか」
「いや、俺はこんな所で死ぬわけにはいかない。必ずあなた方を倒してみせる」
今じゃないけどね。
俺は逃げることを気づかれないようにするため、戦意を相手に向け続ける。
「よしいくぞ! 放て烈――」
「リック!」
「リック様!」
俺がカゼナギの剣の風を放とうとした瞬間、突然声が聞こえた。
この声は⋯⋯
「エミリア! サーシャ!」
そして二人の後方にはノノちゃんとリリがいる。
「尾行⋯⋯私、気づいていた」
どうやらリリが追跡者に気づいて、エミリアとサーシャを連れてきてくれたようだ。
だが。
「四人とも逃げろ! この二人はただ者じゃない!」
情けない話だが、この二人を相手にしてノノちゃん達を守りきれる自信がない。
「俺のことはいいから街に逃げるんだ!」
俺は必死になって声を上げる。
しかしノノちゃんとリリは足を止めてくれたが、エミリアとサーシャはむしろさっきよりスピードを上げて、外套を着た男達の元へと向かっていた。
「エミリアサーシャ止まれ! 二人がかなう相手じゃない!」
「よくも! 絶対に許さないから」
「さすがの私でも今回の件は看過できません!」
しかし二人は頭に血が昇っているのか、止まる気配がない。
剣士で、猪突猛進タイプのエミリアならわからないこともないが、魔法使いで、普段冷静沈着なサーシャまで突撃する意味がわからない。
このままだと二人は殺される。
俺の脳裏に最悪な事態が過る。
だけど何故だかわからないが、外套の男達は二人の行動に慌てふためいていた。
「げっ! やべえぞ」
「だから私はやめようと忠告しましたよね」
「何言ってるんだ。お前だってノリノリだったじゃねえか」
「さ、それは⋯⋯一度彼の実力がみたいと思っていましたので」
「だったら文句を言うんじゃねえ」
どういうことだ? 外套を着た奴らが言い争いを始めたぞ。
どうしてこうなったのか、本当にわけがわからない。
「ごちゃごちゃとうるさいわね! これでも食らいなさい!」
「正義の鉄槌を受けて下さい!」
エミリアは剣士の男に飛び蹴りを、サーシャが魔法を使う男に向かって平手打ちを放つ。
無茶だ! 実力者の二人が食らうはずがない!
と思っていたら、二人はエミリアとサーシャの攻撃をまともに食らい、地べたをボロ雑巾のように転がるのだった。
俺は相手の魔法を食らってしまい、地面に這いつくばっていた。
風の盾である程度威力を防げたからいいものの、まともに食らっていたら確実に死んでいた。
しかし身体は満身創痍だけど、まだ意識はあるしMPも殆ど残っている。
このまま何もせずに死んでたまるか!
「ク、クラス5完全回復⋯⋯ジェ、創聖魔法」
回復魔法を唱えると身体が光に包まれ、受けた傷が消えていく。
そして俺は立ち上がり、カゼナギの剣を手に構える。
「おいおい、死に損ないだったのに復活したぞ」
「情報ではどんな傷も治す魔法と、魔物の集団を一撃で沈める魔法、規格外の身体強化魔法が使えると聞いています」
「確か補助魔法使いだろ? 補助魔法にそこまで強力な魔法があるのか?」
「いえ、私の知る限りではありませんね。おそらく魔法の言葉を口にする際、語尾にジェネシスとつけていることが関係しているのでしょう」
バレてるな。
しかも二人は俺のことを調べてこの場に立っている。
相手のことを何も知らない俺とは大違いだ。
二対一ということも踏まえ、戦う前からこちらがかなり不利な状況だということは間違いない。
悔しいがここは一度退いて、万全の体制で迎え撃った方がいい。
「俺はまどろっこしいことは嫌いでね。おい! その魔法はなんだ。教えろ」
「教えろと言われて教える人はいませんよ。むしろあなた方の正体を教えてもらえませんか」
「それで教えるバカはいねえだろ」
「それならそういうことです」
これ以上こっちの情報を与えてたまるか。
「言われてしまいましたね」
「口の減らないガキだ。俺は口だけの奴は認めないぜ」
「私もです。そのような者に私の⋯⋯」
私の? 何だ?
もしかしてそれが俺を襲う理由なのか?
それがわかれば相手の正体がわかるかもしれない。
だが今はそのようなことを考えるより、この場を離脱することが先決だ。
まずはカゼナギの剣で風を起こし、その後でクラス4闇霧創聖魔法で視界を遮り、街へと逃げる。
戦いで勝ち目はないけど、逃げるだけなら何とかなるはずだ。
「この世に未練はもうねえか」
「いや、俺はこんな所で死ぬわけにはいかない。必ずあなた方を倒してみせる」
今じゃないけどね。
俺は逃げることを気づかれないようにするため、戦意を相手に向け続ける。
「よしいくぞ! 放て烈――」
「リック!」
「リック様!」
俺がカゼナギの剣の風を放とうとした瞬間、突然声が聞こえた。
この声は⋯⋯
「エミリア! サーシャ!」
そして二人の後方にはノノちゃんとリリがいる。
「尾行⋯⋯私、気づいていた」
どうやらリリが追跡者に気づいて、エミリアとサーシャを連れてきてくれたようだ。
だが。
「四人とも逃げろ! この二人はただ者じゃない!」
情けない話だが、この二人を相手にしてノノちゃん達を守りきれる自信がない。
「俺のことはいいから街に逃げるんだ!」
俺は必死になって声を上げる。
しかしノノちゃんとリリは足を止めてくれたが、エミリアとサーシャはむしろさっきよりスピードを上げて、外套を着た男達の元へと向かっていた。
「エミリアサーシャ止まれ! 二人がかなう相手じゃない!」
「よくも! 絶対に許さないから」
「さすがの私でも今回の件は看過できません!」
しかし二人は頭に血が昇っているのか、止まる気配がない。
剣士で、猪突猛進タイプのエミリアならわからないこともないが、魔法使いで、普段冷静沈着なサーシャまで突撃する意味がわからない。
このままだと二人は殺される。
俺の脳裏に最悪な事態が過る。
だけど何故だかわからないが、外套の男達は二人の行動に慌てふためいていた。
「げっ! やべえぞ」
「だから私はやめようと忠告しましたよね」
「何言ってるんだ。お前だってノリノリだったじゃねえか」
「さ、それは⋯⋯一度彼の実力がみたいと思っていましたので」
「だったら文句を言うんじゃねえ」
どういうことだ? 外套を着た奴らが言い争いを始めたぞ。
どうしてこうなったのか、本当にわけがわからない。
「ごちゃごちゃとうるさいわね! これでも食らいなさい!」
「正義の鉄槌を受けて下さい!」
エミリアは剣士の男に飛び蹴りを、サーシャが魔法を使う男に向かって平手打ちを放つ。
無茶だ! 実力者の二人が食らうはずがない!
と思っていたら、二人はエミリアとサーシャの攻撃をまともに食らい、地べたをボロ雑巾のように転がるのだった。
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