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目立つ追跡者
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エミリアを説き伏せることに成功した俺は、二人をそのまま執務室へと連れて行く。
そして先程ウィスキー侯爵から言われたことを話すと。
「私は先程も申し上げましたが、賛成です」
「リックが作ったものだから好きにすればいいわ」
エミリアからも反対の意見は出なかった。
そうなると後はこの世界の技術で、ウイスキーを作るための蒸留機が作れるかどうかだけど。
創造魔法で出した本によると、単式蒸留機の銅製ポットスチルがいいだろう。連続式蒸留機の方が便利だけど、あれは千八百年代に作られたものだから技術が進み過ぎている。個人的に使うものならいいけど、この世界に広く普及される可能性があるから、やりすぎは良くないよな。
出来れば人柄と技術が信頼できる人に作ってもらいたいけど、そうなるとドワクさんしか思い浮かばない。
実際に創造魔法で作ったものを持っていって、作れるか聞いてみよう。
トントン
そして朝食が終わった後、一時間程自室のベットで横になっていると、部屋のドアがノックされる。
「どうぞ」
俺が声をかけるとドアが開き、二人の姿が目に入った。
「お兄ちゃん休んでいる時にごめんね」
「いや、大丈夫だよ」
部屋に入ってきたのはノノちゃんとリリだ。しかしリリは何だか目が閉じかけていて、ダルそうだな。
「リリお姉ちゃんがずっとお部屋に閉じこもっているから、お散歩に行きたいんだけどいい?」
リリはあまり人と触れ合いたくないのか、領主館の外に行くことはない。まあ昨日までは荒くれ共がいたせいで、外に出ることを自粛してもらっていたけど。
「わかった。けど俺も一緒に行くよ」
二人だけで行かせるのは心配だ。ノノちゃんは可愛いし、リリも美少女だから変な奴らに絡まれるかもしれない。
兄としてついていくのは当然のことだ。
「本当? でもお兄ちゃんは忙しいんじゃ⋯⋯」
喜びの表情を見せたノノちゃんが、悲しみの表情に変わってしまう。
「大丈夫。最近忙しかったから、今日は休もうかと考えていたんだ」
「やったあ! お兄ちゃんと一緒にお出かけできる!」
ここまで喜んでもらえると兄冥利につきるな。
だが後ろにいるリリは違った。
「それじゃあ私は⋯⋯部屋で休んでいるね」
「リリお姉ちゃんが行かないと意味ないよお」
確かにリリの引きこもりを心配してノノちゃんが誘ったのに、本人が来なくちゃ意味ないな。
「何か街の屋台で美味しい物でも食べようか。荒くれ者達の捕縛を手伝ってくれたお礼に今日は俺がおごるよ」
「やったあ。リリお姉ちゃん、お兄ちゃんが好きなもの食べていいって。一緒に行こうよ」
「⋯⋯わかった。ノノがそこまで言うなら。けど⋯⋯食べ物に釣られた訳じゃ⋯⋯ないから」
明らかに食べ物に釣られたように見えるが、せっかくリリも来てくれると言ってくれたので、黙っていよう。
「それじゃあ早く行こう」
そして俺とリリは、ノノちゃんに手を引かれて街へと繰り出す。
俺達は領主館を出て東へと歩く。
中央区画から東区画にかけて、商店街や屋台があるからだ。
「ほら、リリお姉ちゃんお魚だよ」
はしゃいでいるノノちゃんが指差す方を見ると、炭を使って魚を焼いている屋台があった。
「良い匂い⋯⋯美味しそう」
確かにリリの言う通り、周囲には焼けた魚の匂いが充満していて、食欲がそそられる。
「それじゃあ食べよっか。三匹お願いします」
「あいよ! 銅貨十二枚になるぜ」
「わかりました」
威勢のいい店主のおじさんに金を払うため、俺は財布から銅貨を取り出そうとするが。
「だけどお嬢ちゃん達可愛いから銅貨十枚でいいぜ」
「本当? ありがとう」
「⋯⋯どうも」
こういう時容姿が優れていると特だな。
まあせっかく店主もそう言ってくれていることだし、俺は銅貨十枚を渡す。
「ありがとうございます」
「いいってことよ! また食べに来てくれよ!」
そして店主から串に刺さった魚を三本手渡された。
「はい、二人ともどうぞ」
「ありがとうお兄ちゃん」
「⋯⋯ありがと」
旨そうだな。
俺は火傷しないように気をつけてながら、焼き魚を口にする。
「旨いな」
「本当だね。お魚の身がふっくらしていて凄く美味しいよ」
残念ながら魚にかかっている塩はドルドランド産の塩なので、少しえぐみがあるが、それでも炭で焼いた魚はとても美味しく感じた。
「次は肉⋯⋯食べたい」
「えっ? リリお姉ちゃんもう食べたの?」
リリに視線を向けると、すでに串に刺さった魚は骨だけになっていた。
「ちょっと待ってくれ。俺とノノちゃんが食べ終わってからな」
「うん」
「ノノ急いで食べるね」
「いや、ゆっくりでいいから」
リリの早食いに驚きながらこの後俺達は、鳥と野菜を焼いた物や焼きそばのようなものを食べたり、ミックスジュースを飲んだりした。
「美味しかったね~」
「うん⋯⋯美味しかった」
どうやら二人は屋台の料理に満足してくれたようだ。
だけどこのままのんびりと屋台を回る訳にはいかない。
何故ならミックスジュースを買った辺りから、俺達を尾行している奴がいるからだ。
何度かわざと曲がり角を曲がったり戻ったりしたが、以前として俺達の背後にいる。
しかし外套で顔を隠してあからさまに怪しいこともそうだが、身体が大きすぎて凄く目立っている。
尾行する気があるのかどうか疑うレベルだ。
「そろそろ帰ろうか」
「え~もうちょっとお兄ちゃんと一緒にいたいなあ」
「もっと⋯⋯食べたい」
「ごめん。ちょっとやらなきゃいけないことを思い出して。この埋め合わせは必ずするから」
「うん、お兄ちゃん絶対だよ」
「次はもっと多く食べる」
「わかった。約束だ」
今は二人の安全が最優先だ。
俺達は領主館へと向かう。もし二人が狙いなら、領主館に行けば兵士がいるし、エミリアとサーシャもいるから安全だ。
俺が狙いなら誰もいない所まで引っ張って、捕まえてやる。
どちらにせよこのまま放っておくわけにはいかない。
「二人は領主館に戻ったら今日は外に出ないでほしい。出来ればサーシャかエミリアと一緒にかいる方がいいな」
「ん? どうして?」
「え~と⋯⋯二人が一緒にお話したいって言ってたから」
「本当? ふふ⋯⋯ノノもお姉ちゃん達とお話したいなあ」
わざわざ本当のことを伝えて、二人を怖がらせる必要はない。それに俺の勘違いの可能性もゼロではないからな。
そして俺はノノちゃんとリリを領主館に送り届けると追跡者は⋯⋯
そして先程ウィスキー侯爵から言われたことを話すと。
「私は先程も申し上げましたが、賛成です」
「リックが作ったものだから好きにすればいいわ」
エミリアからも反対の意見は出なかった。
そうなると後はこの世界の技術で、ウイスキーを作るための蒸留機が作れるかどうかだけど。
創造魔法で出した本によると、単式蒸留機の銅製ポットスチルがいいだろう。連続式蒸留機の方が便利だけど、あれは千八百年代に作られたものだから技術が進み過ぎている。個人的に使うものならいいけど、この世界に広く普及される可能性があるから、やりすぎは良くないよな。
出来れば人柄と技術が信頼できる人に作ってもらいたいけど、そうなるとドワクさんしか思い浮かばない。
実際に創造魔法で作ったものを持っていって、作れるか聞いてみよう。
トントン
そして朝食が終わった後、一時間程自室のベットで横になっていると、部屋のドアがノックされる。
「どうぞ」
俺が声をかけるとドアが開き、二人の姿が目に入った。
「お兄ちゃん休んでいる時にごめんね」
「いや、大丈夫だよ」
部屋に入ってきたのはノノちゃんとリリだ。しかしリリは何だか目が閉じかけていて、ダルそうだな。
「リリお姉ちゃんがずっとお部屋に閉じこもっているから、お散歩に行きたいんだけどいい?」
リリはあまり人と触れ合いたくないのか、領主館の外に行くことはない。まあ昨日までは荒くれ共がいたせいで、外に出ることを自粛してもらっていたけど。
「わかった。けど俺も一緒に行くよ」
二人だけで行かせるのは心配だ。ノノちゃんは可愛いし、リリも美少女だから変な奴らに絡まれるかもしれない。
兄としてついていくのは当然のことだ。
「本当? でもお兄ちゃんは忙しいんじゃ⋯⋯」
喜びの表情を見せたノノちゃんが、悲しみの表情に変わってしまう。
「大丈夫。最近忙しかったから、今日は休もうかと考えていたんだ」
「やったあ! お兄ちゃんと一緒にお出かけできる!」
ここまで喜んでもらえると兄冥利につきるな。
だが後ろにいるリリは違った。
「それじゃあ私は⋯⋯部屋で休んでいるね」
「リリお姉ちゃんが行かないと意味ないよお」
確かにリリの引きこもりを心配してノノちゃんが誘ったのに、本人が来なくちゃ意味ないな。
「何か街の屋台で美味しい物でも食べようか。荒くれ者達の捕縛を手伝ってくれたお礼に今日は俺がおごるよ」
「やったあ。リリお姉ちゃん、お兄ちゃんが好きなもの食べていいって。一緒に行こうよ」
「⋯⋯わかった。ノノがそこまで言うなら。けど⋯⋯食べ物に釣られた訳じゃ⋯⋯ないから」
明らかに食べ物に釣られたように見えるが、せっかくリリも来てくれると言ってくれたので、黙っていよう。
「それじゃあ早く行こう」
そして俺とリリは、ノノちゃんに手を引かれて街へと繰り出す。
俺達は領主館を出て東へと歩く。
中央区画から東区画にかけて、商店街や屋台があるからだ。
「ほら、リリお姉ちゃんお魚だよ」
はしゃいでいるノノちゃんが指差す方を見ると、炭を使って魚を焼いている屋台があった。
「良い匂い⋯⋯美味しそう」
確かにリリの言う通り、周囲には焼けた魚の匂いが充満していて、食欲がそそられる。
「それじゃあ食べよっか。三匹お願いします」
「あいよ! 銅貨十二枚になるぜ」
「わかりました」
威勢のいい店主のおじさんに金を払うため、俺は財布から銅貨を取り出そうとするが。
「だけどお嬢ちゃん達可愛いから銅貨十枚でいいぜ」
「本当? ありがとう」
「⋯⋯どうも」
こういう時容姿が優れていると特だな。
まあせっかく店主もそう言ってくれていることだし、俺は銅貨十枚を渡す。
「ありがとうございます」
「いいってことよ! また食べに来てくれよ!」
そして店主から串に刺さった魚を三本手渡された。
「はい、二人ともどうぞ」
「ありがとうお兄ちゃん」
「⋯⋯ありがと」
旨そうだな。
俺は火傷しないように気をつけてながら、焼き魚を口にする。
「旨いな」
「本当だね。お魚の身がふっくらしていて凄く美味しいよ」
残念ながら魚にかかっている塩はドルドランド産の塩なので、少しえぐみがあるが、それでも炭で焼いた魚はとても美味しく感じた。
「次は肉⋯⋯食べたい」
「えっ? リリお姉ちゃんもう食べたの?」
リリに視線を向けると、すでに串に刺さった魚は骨だけになっていた。
「ちょっと待ってくれ。俺とノノちゃんが食べ終わってからな」
「うん」
「ノノ急いで食べるね」
「いや、ゆっくりでいいから」
リリの早食いに驚きながらこの後俺達は、鳥と野菜を焼いた物や焼きそばのようなものを食べたり、ミックスジュースを飲んだりした。
「美味しかったね~」
「うん⋯⋯美味しかった」
どうやら二人は屋台の料理に満足してくれたようだ。
だけどこのままのんびりと屋台を回る訳にはいかない。
何故ならミックスジュースを買った辺りから、俺達を尾行している奴がいるからだ。
何度かわざと曲がり角を曲がったり戻ったりしたが、以前として俺達の背後にいる。
しかし外套で顔を隠してあからさまに怪しいこともそうだが、身体が大きすぎて凄く目立っている。
尾行する気があるのかどうか疑うレベルだ。
「そろそろ帰ろうか」
「え~もうちょっとお兄ちゃんと一緒にいたいなあ」
「もっと⋯⋯食べたい」
「ごめん。ちょっとやらなきゃいけないことを思い出して。この埋め合わせは必ずするから」
「うん、お兄ちゃん絶対だよ」
「次はもっと多く食べる」
「わかった。約束だ」
今は二人の安全が最優先だ。
俺達は領主館へと向かう。もし二人が狙いなら、領主館に行けば兵士がいるし、エミリアとサーシャもいるから安全だ。
俺が狙いなら誰もいない所まで引っ張って、捕まえてやる。
どちらにせよこのまま放っておくわけにはいかない。
「二人は領主館に戻ったら今日は外に出ないでほしい。出来ればサーシャかエミリアと一緒にかいる方がいいな」
「ん? どうして?」
「え~と⋯⋯二人が一緒にお話したいって言ってたから」
「本当? ふふ⋯⋯ノノもお姉ちゃん達とお話したいなあ」
わざわざ本当のことを伝えて、二人を怖がらせる必要はない。それに俺の勘違いの可能性もゼロではないからな。
そして俺はノノちゃんとリリを領主館に送り届けると追跡者は⋯⋯
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