47 / 49
偽りの正体
しおりを挟む「それじゃ、空の道でリーリクルまで向かおう!」
「そうだね」
ほうきにまたがり、ぎゅっと握る。ラルフもほうきを取り出してまたがり、ひゅんっと音を立てて空の道へ向かう。
アシュリンもラルフを追いかけるように空を飛ぶ。
良い天気だから、見晴らしも良くて思わず笑顔を浮かべてしまう。
「いい天気ー!」
空気も澄んでいて、アシュリンは思わず大きく空気を吸い込んだ。
「空の道は……こっちだね!」
リーリクルに行く空の道を選び、ラルフの姿を探す。彼はアシュリンのことを待っていたようで、分かれ道で待っていてくれた。ルプトゥムも一緒に。
「この道を真っ直ぐ進めば、リーリクルはすぐだよ!」
「そうなんだ。じゃあ、早速行こうか」
「うん!」
分かれ道には小さな箱が置いてあり、その箱に手を入れて「リーリクルに行きます」とつぶやくと、手首にシュルンと赤いひもが巻き付く。
これは空の道を使うために必要なもので、必ず小さな箱に手を入れないといけない。
ラルフも箱に手を入れて、赤いひもを巻き付けた。
「おじいちゃんたちに会ったら、どんなことを話そうかなぁ」
「いろんなお話ができるね、お土産話、たくさんでしょ?」
「……あっ、お星さまでおどろかせるのも良いかも!」
良いことを思いついた! とばかりに目を輝かせるアシュリンに、ラルフはくすりと口角を上げてルプトゥムを呼ぶ。
使い魔たちは自由に空を飛べるが、大体は主人と一緒に飛んでいる。
「リーリクルに行く道、結構混んでいるね」
「そうだねー。陸路が使えないなら、仕方ないのかな」
アシュリンは飛んでいるスピードを落として、邪魔にならないように端に移動した。
ラルフを呼んで端っこを飛んでいると、急いでいるのかピューンと音がするくらい、いきおいよく飛んでいる人がいて、「こらー! 空の道の速度を守りなさーい!」と空の道を警備している人が追いかけている。
「……空の道ってにぎやかだよね」
「……本当にね」
陸路よりも空の道を通ったほうが、移動は楽だ。
楽だが、こうしてたまに速度を守らない人がいて、そのたびに警備員が追いかけるというレースが始まってしまうことがある。
「今日はレースの日かぁ」
「なにをそんなに急いでいるんだろうねぇ」
のんびりと飛んでいるアシュリンとラルフは、やれやれとばかりに両肩を上げて、視線を交わしてくすくすと笑い合った。
そのうちにスピードを出していた人が警備員につかまり、しょんぼりとしているところを追い越していく。
「みんなが速度を守れば、誰かにぶつかっちゃうこともないよね」
「うん、安全に飛ぶことって大事だね」
空の道は魔法でできていて、もしもほうきから落ちてもぽよよんとした雲が受け止めてくれる。なので、たまにいるのだ。わざとスピードを出して、飛んでいる人にぶつかり、雲に落とす人が。
「そうだね」
ほうきにまたがり、ぎゅっと握る。ラルフもほうきを取り出してまたがり、ひゅんっと音を立てて空の道へ向かう。
アシュリンもラルフを追いかけるように空を飛ぶ。
良い天気だから、見晴らしも良くて思わず笑顔を浮かべてしまう。
「いい天気ー!」
空気も澄んでいて、アシュリンは思わず大きく空気を吸い込んだ。
「空の道は……こっちだね!」
リーリクルに行く空の道を選び、ラルフの姿を探す。彼はアシュリンのことを待っていたようで、分かれ道で待っていてくれた。ルプトゥムも一緒に。
「この道を真っ直ぐ進めば、リーリクルはすぐだよ!」
「そうなんだ。じゃあ、早速行こうか」
「うん!」
分かれ道には小さな箱が置いてあり、その箱に手を入れて「リーリクルに行きます」とつぶやくと、手首にシュルンと赤いひもが巻き付く。
これは空の道を使うために必要なもので、必ず小さな箱に手を入れないといけない。
ラルフも箱に手を入れて、赤いひもを巻き付けた。
「おじいちゃんたちに会ったら、どんなことを話そうかなぁ」
「いろんなお話ができるね、お土産話、たくさんでしょ?」
「……あっ、お星さまでおどろかせるのも良いかも!」
良いことを思いついた! とばかりに目を輝かせるアシュリンに、ラルフはくすりと口角を上げてルプトゥムを呼ぶ。
使い魔たちは自由に空を飛べるが、大体は主人と一緒に飛んでいる。
「リーリクルに行く道、結構混んでいるね」
「そうだねー。陸路が使えないなら、仕方ないのかな」
アシュリンは飛んでいるスピードを落として、邪魔にならないように端に移動した。
ラルフを呼んで端っこを飛んでいると、急いでいるのかピューンと音がするくらい、いきおいよく飛んでいる人がいて、「こらー! 空の道の速度を守りなさーい!」と空の道を警備している人が追いかけている。
「……空の道ってにぎやかだよね」
「……本当にね」
陸路よりも空の道を通ったほうが、移動は楽だ。
楽だが、こうしてたまに速度を守らない人がいて、そのたびに警備員が追いかけるというレースが始まってしまうことがある。
「今日はレースの日かぁ」
「なにをそんなに急いでいるんだろうねぇ」
のんびりと飛んでいるアシュリンとラルフは、やれやれとばかりに両肩を上げて、視線を交わしてくすくすと笑い合った。
そのうちにスピードを出していた人が警備員につかまり、しょんぼりとしているところを追い越していく。
「みんなが速度を守れば、誰かにぶつかっちゃうこともないよね」
「うん、安全に飛ぶことって大事だね」
空の道は魔法でできていて、もしもほうきから落ちてもぽよよんとした雲が受け止めてくれる。なので、たまにいるのだ。わざとスピードを出して、飛んでいる人にぶつかり、雲に落とす人が。
10
お気に入りに追加
84
あなたにおすすめの小説

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編

異世界転生漫遊記
しょう
ファンタジー
ブラック企業で働いていた主人公は
体を壊し亡くなってしまった。
それを哀れんだ神の手によって
主人公は異世界に転生することに
前世の失敗を繰り返さないように
今度は自由に楽しく生きていこうと
決める
主人公が転生した世界は
魔物が闊歩する世界!
それを知った主人公は幼い頃から
努力し続け、剣と魔法を習得する!
初めての作品です!
よろしくお願いします!
感想よろしくお願いします!

悪役貴族に転生した俺は悪逆非道の限りを尽くす
美鈴
ファンタジー
酷いイジメを受けていた主人公大杉静夜(おおすぎせいや)。日に日にイジメは酷くなっていった。ある日いつものように呼び出された静夜は仕方無く呼び出された場所向かう。それが自分の最後とは知らずに…
カクヨム様にも投稿しておりますが内容が異なります

ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~
むらくも航
ファンタジー
Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。
配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。
誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。
そんなホシは、ぼそっと一言。
「うちのペット達の方が手応えあるかな」
それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。
☆10/25からは、毎日18時に更新予定!
【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件
エース皇命
ファンタジー
前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。
しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。
悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。
ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。
転生したら男女逆転世界
美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。
※カクヨム様にも掲載しております
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる