姉と妹に血が繋がっていないことを知られてはいけない

マーラッシュ

文字の大きさ
84 / 147

ライオンより恐ろしい姉後編

しおりを挟む
「あなたがリウトの姉なのね。とってもプリティーだわ」

 アリアはソフィアさんでも動くことができない中、前に進み、コト姉に抱きつく。

「何? どういうこと?」

 コト姉もまさか抱きつかれると思っていなかったのか、驚き、焦りだす。そして先程までこの場を支配していた殺気が一瞬で霧散していった。

「こんなにプリティーな子見たことないわ。さすが大和撫子を生んだジャパンね」
「えっ? そうかな? えへへ⋯⋯リウトちゃん、お姉ちゃん可愛いって」
「コ、コト姉はいつも可愛くて自慢のお姉ちゃんだよ」

 俺はここぞとばかりにコト姉を褒めて、何とか怒りが静まるように画策する。

「本当? リウトちゃんにも可愛いって言ってもらえてお姉ちゃんすごく嬉しい」

 さっきは聞く耳持たないと言った感じだったが、どうやらアリアの抱きつきと、可愛いと褒められたお陰で、コト姉は正気を取り戻したようだ。

「それで何でリウトちゃんはアリアちゃんと一緒に登校してきたのかな?」
「昨日二人組の男から助けたお礼で家を訪ねてきたんだ。それで今日から羽ヶ鷺に転入するから車で送ってもらっただけだよ」
「そういえば今日から転入生が来るって先生が言ってたよ。アリアちゃんとソフィアちゃんのことだったんだね」
「そうよ。プリティーなあなたの名前を聞いてもいいかしら」

 そう言ってアリアはコト姉からようやく離れた。

「私は天城 琴音。リウトちゃんのお姉ちゃんで一応この学園の生徒会長をしています。何か困ったことがあったらいつでも相談してね」
「私は西条 アリア。リウトの姉であるあなたとは特に仲良くしたいわ」

 そして二人は右手でがっちりと握手をする。
 良かった。とりあえずコト姉の機嫌は治り、二人がバトルする展開にはならなそうだ。

「ソフィアちゃんもようこそ羽ヶ鷺へ」
「は、はい。よろしくお願いします」
「緊張しているのかな? 何かあったら頼ってね」

 今、お姉ちゃんが強調されているように感じたが気のせいか?
 それとソフィアさんもコト姉と握手をしているが、先程のプレッシャーが頭に残っているのか、手が震えている。
 武道の心得がある程、コト姉の恐ろしさがわかるというやつだな。
 ソフィアさんは生態系ピラミッドで自分よりコト姉が上だとわかり、敗北を認めてしまったのだろう。

「それじゃあコト姉、朝の挨拶運動がんばってね」
「うん。お姉ちゃんがんばるよ」

 とりあえずコト姉の怒りは収まったが、いつまでもここにいるのは得策ではない。俺はコト姉に声をかけ、校舎へと向かう。

「琴音、今度いっぱい話しましょ」
「失礼します。琴音様」

 そしてアリアとソフィアも俺に続き、校舎へと向かうのであった。

 俺は校舎の中へ入ると、二人を職員室まで送り届けてからAクラスへと向かうが、気が進まない。

 おそらくアリアやソフィアさんと一緒にいる所を見られているんだろうな。
 これから教室に入るとどういう目に合うか容易に想像できた。
 しかしそろそろ始業のチャイムが鳴るため、行かない訳にもいかない。
 俺は意を決して教室のドアを開けると⋯⋯。

「おい天城! お前お嬢様とメイドと一緒にいたんだってな!」
「リウトどういうことだ! まさかお前あのメイドさんに、ご主人様に逆らうのか! 黙って言うことを聞いてればいいんだとか言ってけしからんことをしているんじゃないだろうな」
「車で一緒に登校してきたんでしょ? もしかしてあのお嬢様って天城くんの婚約者?」
「ねえねえ本当は二人はどういう関係なの? 教えてよ」

 やれやれ⋯⋯予想していたとはいえ、質問責めだな。8割はアリアとソフィアさんに興味津々といった所で残り2割は俺への嫉妬だな。

 どうするかこれ。
 だが何も話さないでいると憶測でものを言われるかもしれない。俺は昨日の出来事を皆に伝えることにするのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる

歩く魚
恋愛
 かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。  だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。  それは気にしてない。俺は深入りする気はない。  人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。  だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。  ――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編6が完結しました!(2025.11.25)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!

竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」 俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。 彼女の名前は下野ルカ。 幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。 俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。 だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている! 堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件

マサタカ
青春
 俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。 あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。   そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。 「久しぶりですね、兄さん」 義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。  ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。 「矯正します」 「それがなにか関係あります? 今のあなたと」  冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。    今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人? ノベルアッププラスでも公開。

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

処理中です...