姉と妹に血が繋がっていないことを知られてはいけない

マーラッシュ

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胸の大きさで誰かわかる

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ユズの変化に戸惑いながらも日々は過ぎていく。

 今日は日曜日。俺はいつものように惰眠を貪っていると布団の中から気配を感じ、脳が覚醒していく。
 どうやら侵入者は布団の中で俺の足を抱き枕に寝ているようだが、犯人はすぐにわかった。
 この⋯⋯これはコト姉に間違いない。
 ユズだったらもっと大きな幸せが俺の足を包んでいるだろう。

「コト姉⋯⋯勝手に布団に入るなって言ってるだろ」

 俺は布団を捲らずにそう言うと、コト姉は観念したのか諦めて布団から出てきた。

「お姉ちゃんだってよくわかったね。2人の心が結ばれている証拠かな」
「⋯⋯ソウダネ」

 とりあえず俺はコト姉の問いに適当に答える。
 もし胸が小さいからわかったなんて口にしたら、温厚なコト姉も激怒することは間違いないからだ。
 そのため数年前から胸の話題は天城家では禁句となっている。

「最近リウトちゃんがお姉ちゃんに冷たい気がする」
「そんなことはない。いつもと変わらない対応だと思うよ」

 確かに養子の件が発覚してから、コト姉とは少し距離を取っていた。コト姉は何かおかしいと感じていたんだな。

「それはユズちゃんと仲良くなったから? 屋上で楽しそうにお昼を食べていたしね」
「見てたのか?」
「うん⋯⋯ユズちゃんがリウトちゃんにあ~んしていた所を見たよ」

 よりによってそこか。この後コト姉がなんて言うか容易に想像できるぞ。

「ユズちゃんだけずるい! お姉ちゃんだってあ~んしたいよ」

 やはりな。こうなったらもうコト姉は止められない。

「お姉ちゃんだってリウトちゃんにいっぱいアピールしてたのに」
「アピール? 布団の中で寝ていたこと?」
「それとベッドのシーツをクンクンしたり、リウトちゃんのリコーダーをペロペロしたり」
「それアピールじゃなくね? むしろストーカーだろ!」

 うちの姉がこんなヤバい奴になっていたとは!

「リウトちゃん嫌だなあ⋯⋯半分冗談だよ~」
「半分? 半分ってどっち!」

 ベッドのシーツをクンカクンカはまだいいとしてリコーダーペロペロはヤバいだろ。身内から犯罪者が出るのは勘弁してほしい。

「そんなことより⋯⋯」
「そんなことで片付けられることじゃないような⋯⋯」
「今日はお姉ちゃんとのデートに付き合ってもらうから。30分後に駅前で待ってるね」

 そう言ってコト姉は部屋を出ていってしまった。

「やれやれ、人の予定を聞かないで勝手に決めて」

 まあ別に彼女もいないからいいけどな。こうやって二人で出かけることは何度もあるし、もしすっぽかしたらコト姉に後で何を言われるかわからない。それにコト姉が養子の件を知っていたら、何かアクションを起こしてくるかもしれない。

 俺はベッドから起き上がり、いつもより少しおしゃれな服を着て、洗面所へと向かうのだった。
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