60 / 147
疲労は敗因の要因となる
しおりを挟む
後半18分⋯⋯試合はCクラスの攻撃から始まる。
Aクラスは先程まで前線に柳、ちひろ、神奈さんを残していたが、今は柳のワントップにフォーメーションを変更し、ちひろ、神奈さんは守備に回ってもらうことにした。
今は得点するより失点しないことの方が大切だからだ。
ここからはもうわざとシュートを打たせることはさせず、通常通り戦うように指示を出す。
戦力的には敵の主力である沢尻、井沢、田中には重りはついてないため、こちらの方が不利に見えるが、実際にはキーパーがいないためゴール前に何人も張り付いていなければならないからAクラスが押していた。
「外れたか」
柳のロングシュートが田中に弾かれ、コーナーキックになる。
そして柳はコーナーキックから直接ゴールを狙うが、これも井沢のヘディングによりクリアしてしまう。
Cクラスはクリアしたボールを拾うが、攻めるのに人数を三人しかかけていないため、すぐにAクラスがボールを奪い返す。
「奴らはビビって自分達の陣地から出てこれねえぞ!」
都筑が今までの鬱憤を晴らすかのように、意気揚々と声を上げる。
確かに都筑の言う通り、Cクラスは攻めるのに消極的だ。しかしカウンターでも食らったらたまったもんじゃないため、6人は常に自陣に残すようにしている。
それと気になることがもう1つ⋯⋯。
俺は再びこちらのコーナーキックになった時、急ぎ神奈さんの元へと向かった。
「前半から攻守に走り回って疲れているだろう?」
「はあ⋯⋯はあ⋯⋯。大丈夫、後少しの時間だからがんばります」
正直な話、神奈さんはもう疲労困憊で限界を越えているように見える。だが彼女の持ち前の責任感の強さのせいなのか、最後まで全力で戦うことを選択したようだ。
「わかった。けどどんなシュートが来ても必ず止めるから無理しないでいい」
「その時は⋯⋯お願いします」
99%休むことはしないと思っていたが、やはり予想が当たってしまったか。
だが、神奈さんの言う通り時間は既に後半29分を越えている。ロスタイムはおそらく3分くらいだから、後少しで試合が終わるのも事実だ。
しかし試合は後半32分に動く。
Aクラスのコーナーキックを沢尻がヘディングでクリアすると今まで攻めるのに消極的だったCクラスが一斉にこちらの陣地へと走り出す。
時間ギリギリに攻めてきたか。この場合33分を過ぎてもこちらがボールを奪わない限り試合終了のフエが鳴ることはない。逆にボールを奪った瞬間に試合終了のフエが鳴るので、攻められるリスクがない。
「最後の力を振り絞れ! ここで絶対に点を入れるぞ」
Cクラスは全員一丸となって攻めてくる。元々のポテンシャルが高いこともあり、華麗とはいえないがそれなりのパス回しでAクラスのディフェンス陣を切り裂いていく。
「戻れ戻れ!」
「最後の最後でやられてたまるかよ!」
悟と都筑の言葉にAクラスはボールを奪おうと奮闘するが、ついにはボールがペナルティエリアの中にいる沢尻に渡ってしまう。
「今度こそ決めてやるぜ!」
沢尻はシュートを放つため右足を振りかぶる。
「さ、させないわ」
だが神奈さんが沢尻のシュートをブロックしようと必死に走り、足を伸ばそうとするが⋯⋯。
「あっ!」
疲労のせいか足がもつれ、沢尻のボールではなく、左足を引っかけてしまう。
そして沢尻はバランスを崩し、その場に倒れると審判のフエが静寂したこの場に鳴り響いた。
審判は右手をペナルティマークを指差すと、Cクラスから歓喜の声が拡がった。
Aクラスは先程まで前線に柳、ちひろ、神奈さんを残していたが、今は柳のワントップにフォーメーションを変更し、ちひろ、神奈さんは守備に回ってもらうことにした。
今は得点するより失点しないことの方が大切だからだ。
ここからはもうわざとシュートを打たせることはさせず、通常通り戦うように指示を出す。
戦力的には敵の主力である沢尻、井沢、田中には重りはついてないため、こちらの方が不利に見えるが、実際にはキーパーがいないためゴール前に何人も張り付いていなければならないからAクラスが押していた。
「外れたか」
柳のロングシュートが田中に弾かれ、コーナーキックになる。
そして柳はコーナーキックから直接ゴールを狙うが、これも井沢のヘディングによりクリアしてしまう。
Cクラスはクリアしたボールを拾うが、攻めるのに人数を三人しかかけていないため、すぐにAクラスがボールを奪い返す。
「奴らはビビって自分達の陣地から出てこれねえぞ!」
都筑が今までの鬱憤を晴らすかのように、意気揚々と声を上げる。
確かに都筑の言う通り、Cクラスは攻めるのに消極的だ。しかしカウンターでも食らったらたまったもんじゃないため、6人は常に自陣に残すようにしている。
それと気になることがもう1つ⋯⋯。
俺は再びこちらのコーナーキックになった時、急ぎ神奈さんの元へと向かった。
「前半から攻守に走り回って疲れているだろう?」
「はあ⋯⋯はあ⋯⋯。大丈夫、後少しの時間だからがんばります」
正直な話、神奈さんはもう疲労困憊で限界を越えているように見える。だが彼女の持ち前の責任感の強さのせいなのか、最後まで全力で戦うことを選択したようだ。
「わかった。けどどんなシュートが来ても必ず止めるから無理しないでいい」
「その時は⋯⋯お願いします」
99%休むことはしないと思っていたが、やはり予想が当たってしまったか。
だが、神奈さんの言う通り時間は既に後半29分を越えている。ロスタイムはおそらく3分くらいだから、後少しで試合が終わるのも事実だ。
しかし試合は後半32分に動く。
Aクラスのコーナーキックを沢尻がヘディングでクリアすると今まで攻めるのに消極的だったCクラスが一斉にこちらの陣地へと走り出す。
時間ギリギリに攻めてきたか。この場合33分を過ぎてもこちらがボールを奪わない限り試合終了のフエが鳴ることはない。逆にボールを奪った瞬間に試合終了のフエが鳴るので、攻められるリスクがない。
「最後の力を振り絞れ! ここで絶対に点を入れるぞ」
Cクラスは全員一丸となって攻めてくる。元々のポテンシャルが高いこともあり、華麗とはいえないがそれなりのパス回しでAクラスのディフェンス陣を切り裂いていく。
「戻れ戻れ!」
「最後の最後でやられてたまるかよ!」
悟と都筑の言葉にAクラスはボールを奪おうと奮闘するが、ついにはボールがペナルティエリアの中にいる沢尻に渡ってしまう。
「今度こそ決めてやるぜ!」
沢尻はシュートを放つため右足を振りかぶる。
「さ、させないわ」
だが神奈さんが沢尻のシュートをブロックしようと必死に走り、足を伸ばそうとするが⋯⋯。
「あっ!」
疲労のせいか足がもつれ、沢尻のボールではなく、左足を引っかけてしまう。
そして沢尻はバランスを崩し、その場に倒れると審判のフエが静寂したこの場に鳴り響いた。
審判は右手をペナルティマークを指差すと、Cクラスから歓喜の声が拡がった。
0
あなたにおすすめの小説
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編6が完結しました!(2025.11.25)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件
マサタカ
青春
俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。
あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。
そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。
「久しぶりですね、兄さん」
義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。
ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。
「矯正します」
「それがなにか関係あります? 今のあなたと」
冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。
今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人?
ノベルアッププラスでも公開。
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる